橋本 専門演習(3年)の最近のブログ記事

2009/07/13

・スピーチ
ツーリズムの新しい諸相
フットツーリングという旅の形 p,60   07ha049k 川井遥

【要約】
 「歩く」という字は「止」に「少」がついてできている。しかし、歩いているうちにそこにある風景、そこで出会う人々の暮らしを眺めるために立ち止まる回数が増えて、歩く距離が少なくなる。それゆえ、自分にとって「歩く」という字は「止」の下に「多」を書く、と小川彰さんは述べている。そして彼は、これまでに全国の歩け歩け大会に参加しまくり、「野んびり」というグループを作ってカントリーウォークを満喫、そして今は日本中の名も知れぬ町や村を歩きその地に暮らす人々とのお付き合いを楽しんでいる旨が『フットツーリングのすすめ 自足旅行術』という本の中で紹介されている。
 ところで、この『フットツーリングのすすめ』に登場する「出がらし紋次郎」という
人物は、バックパッキングの経験的アドバイスとしてウルトラ・ライト・ウェイト・パッ
キングの手法を説明している。しかしながら、日本の自然歩道は未整備で、誰もが歩いて
旅をした江戸時代の日本を振り返りつつ、誰もが楽しめる歩行文化の再創出の必要性も説いている。
 この「歩くこと」についての報告は数多くあり、日本国内9ブロックの自然歩道ネットワークの整備の実態についてのものから、ジョン・ミューア・トレイル(340km)のルートの実情を綴ったもの、イギリスで一番美しい町や村と言われるコッツウォルズを歩いた人による道標やゲート、休憩施設など詳細にわたる報告まである。一方で、歴史街道必ずしも快適な道にあらずと自分の足で踏査し、大阪から敦賀までへの「さざなみ快道」などをつくりあげた快道メーカーの小西尉二さんは自分で詳細な地図を発行し、これが大人気を博しているという話もあるようだ。
 『フットツーリングのすすめ 自足旅行術』の著者・山浦正昭さんは、自分の目指すフットツーリングについて、「前例のないオリジナルな旅であり、一つの芸術作品だ」と書いているが、さらに「フットツーリングという手法について日本や世界の新しい発見をするための手段であり、今までとは違った旅から、これからの社会を創りだすエネルギーを貯えたい」と綴っている。
 観光立国宣言がなされてから、インバウンドツーリズムや国内観光振興に向けた施策がとらえられているが、「歩いて旅が続けられ、続けたいと思う国は、それだけ国も自然も人々の暮らしも魅力的である。歩く旅がしたくなる国はどういうものか」という視点からの指摘は他にない。
【感想】
 歩いて旅をすることで、鉄道や車(言ってみれば現代で使われている旅行の足)では見つけられない、ごく小さなものを発見することができ、それが数を増やすごとに魅力、特色を形成していくと考えられる。今度の合宿で行く岳温泉も、"歩くこと"をキーワードとした観光・街おこしが行われている。調査で各コースを歩きながら岳温泉の魅力を見つけたり、歩く旅がしたくなる国、あるいは地域づくりのヒントを探したりするのも面白いのではないかと思う。

・文献研究
日本人の旅行行動と主観的健康感
後藤康彰・梅川智也 日本観光研究学会第20回全国大会学術論文集(2005年)
06HA089N 下村悠海子

1.概要
 日本人の旅行行動と主観的健康感の関係を明らかにすることを目的とした。主観的健康感(健康に対する自己評価)を従属変数、旅行行動を独立変数とする回帰分析を実施し、オッズ比と95%信頼区間を求めた。「観光レクリエーション旅行」を実施した群において、健康感への有意に高いオッズ比が観察された。つまり、「観光レクリエーション行動」が健康増進に寄与する可能性があることが示唆された。

2.各章の要約
1)背景と目的
 わが国では、21世紀の健康づくり政策として、2010年を目標年次とする「健康日本21」を展開している。この政策では、国民の健康寿命の延長と生活の質の向上が目標として掲げられている。本研究では、日本人に人気の余暇活動の1つである「旅行」の健康に対する効果について着目したものである。
 本研究では健康のインデックスとして、「主観的健康感(健康に対する自己評価)」を採用し、日本の旅行行動との関連を調べることを目的としている。
2)方法
①研究対象と調査方法
 2004年10月に全国の18歳以上の男女、4000人を無作為に抽出し、自記式アンケートを郵送法で実施した。
②調査項目
 主観的健康を尋ねる設問として、「あなたは自分で健康だと感じていますか」に対して「非常に健康」「健康なほうだと思う」「あまり健康ではない」「健康ではない」の4段階評定尺度で回答を求めた。
 旅行行動には、旅行の長さと行き先(国内宿泊、国内日帰り、海外)や目的(観光レクリエーション旅行、帰省や家事などの用事のための旅行、組織が募集する団体旅行、出張・業務旅行、会社がらみの団体旅行)で分類した14項目について、直近1年間に実施を尋ねて観察した。また、旅行に行く動機について、「日常生活から解放されるため」「旅先のおいしいもの、珍しいものを求めて」「保養、休養のため」など24項目について回答を求めた。
③分析
 分析方法は、主観的健康感の評価につき、「非常に健康」「健康である」との回答を「健康群」、「あまり健康ではない」「健康ではない」を「非健康群」として対象を2群に分けて従属変数とした。旅行行動、旅行動機に関する回答をそれぞれ独立変数に割り当て、ⅹ二乗検定を用いて単回帰分析を実施し、「非健康群」に対する「健康比」のオッズ比と95%信頼区間を求めた。
3)結果と考察
 63%の回答が得られた。「あなたは自分で健康だと感じていますか」に対する回答者を解析の対象とした。「非常に健康」が12%「健康である」が71%「あまり健康ではない」が14%「健康ではない」が2%であった。年代別にみると、主観的健康感は加齢に伴い低下している。
①旅行行動
 「国内宿泊観光旅行」が62%で一番多かった。60代以上の比率が高かった。また、余暇活動と関連する「国内日帰り観光旅行」は48%、「海外観光旅行」は8%が「実施した」と回答した。
 旅程の長さや行き先に関わらず、個人的な楽しみのための「観光レクリエーション旅行」の実施が、高い「主観的健康感」と関連していることが示唆された。
②旅行動機
 旅行動機で回答比率がもっとも高かったものは、「日常生活から開放されるため」67%「旅先のおいしいものや珍しいものを求めて」が60%、「保養・休養のため」が51%であった。「健康増進のため」は7%で「旅先でわざわざ健康増進をはかる」マーケットがまだまだニッチであることが示唆された。
 単回帰分析の結果、有意に高いオッズ比が認められたのは、「美しいものにふれるため」「旅先のおいしいものや珍しいものを求めて」「保養、休養のため」「身体を鍛えたりスポーツ、リクリエーションの技術の向上をはかるため」で、これらの動機が高い主観的健康感と関連することが示唆された。
4)まとめ
 個人的な楽しみのための「観光レクリエーション旅行」が国民の健康づくりを推進する上での強力なツールとして有用である可能性が示された。あわせて必ずしも「健康増進」を目的とした旅行ではなく、個人が楽しいと思う旅行の実施が健康づくりに資する可能性が示唆された。

4.評価と感想
 夏合宿のテーマにヘルスツーリズムが含まれていることからこのテーマに興味を抱いた。この論文の調査から実際に健康を意識して旅行をする人が少ないことがわかった。しかし、旅行が健康と何らかの形で結びついていることも旅行の魅力のひとつである。今後は、健康を目的として旅行する人が増えるのではないか。そのためますます注目されるヘルスツーリズムについて調査を行いたい。

5.ディスカッションポイント
 今まで健康を意識して旅行をしたことはあるか、もしなければ、意識はしなかったが健康増進に寄与したと感じる旅行を挙げてもらった。
 挙がった観光地は、別府・草津などの温泉地や、高尾山・蔵王・赤城山・筑波山といった山が挙げられた。それらの地での、観光行動は、足湯・温泉めぐり・サイクリング・自然体験・規則的な生活であった。
 ヘルスツーリズムは、近場でも行うことができ、日帰り旅行として確立することができることがわかった。しかし、意識せずに行っていることが多い。質問対象が高齢者ならより違った結果を得ることができたと思う。

・実習
発想法入門
p,171【Ⅶ】アイディアを収束させていく方法  07ha140b 藤井英里香

【要約】
~フィリップス66法
〈概要〉全体をいくつかの6人グループに分け、グループごとに6分間話し合う。その結果を全体に報告し、出てきたアイディアからどれがよいかをまたグループで話し合い、発表して選ぶ。
〈適応〉現状の改善・組織開発・イベントの企画
〈方法〉①参加者全員に対して、この方法の概要を説明する。
    ②司会者は、参加者を6人ずつの小グループに分ける。
    ③各グループは、検討のリーダーと記録係(スポークスパーソンを同時に務める)を選ぶ。
    ④司会者から課題を与える
    ⑤各グループはその課題に関して6分間討議する。
    ⑥各グループのスポークスパーソンは、順番に全体会議に報告する。
    ⑦その報告を受けて、それらのアイディアのン中からベスト案を選ぶ。
・感想
 今までは、どうしたら新しい発想を生み出せるかについての方法を学んできた。この章では多くの発想をどのように選択していくかについてのもので、参考になった。いくら多くの発想を生み出しても、選択して意思決定できなければ多くの発想は無駄になってしまうので、アイディアを収束していくことはとても大切なことだと思った。
・ディスカッション
【6人グループを2つ作り携帯電話の改善について話し合った】
1.携帯電話に対する不満を挙げた
・傷がつきやすい ・水に弱い ・通話料が高い ・充電がすぐ切れる
・本体の機種代が高い ・プランが複雑 ・機能が多く使わないものがある
・絵文字が会社によって見れないものがある ・電波が悪い 
・ボタンの配置が会社によって違う
2.上記の改善策を話し合った
・摩擦で充電する(こする・ハンドルを回す)
・電波保存
3.ベスト案選択
 電波保存は現在技術的に不可能なため、「摩擦で充電する」が選択された。

 今は不可能でも将来可能になるようなアイディアがこのように生まれるという経験ができた。電波保存ができるような技術も近々開発されるのではないか。

2009/07/06

・スピーチ
ツーリズムの新しい諸相
対外的国名を「NIPPON」に -国としての新ブランド戦略はどうか- 07ha068k 近藤翠

【要約】
 2006年に行われたJATA経営フォーラムの席でニッポンリンク副社長のパウル・ケンプフェンさんがなぜ日本は対外的に「ニッポン」という呼称を使わないで「ジャパン」を使うのかと発言した。「YOKOSO!JAPAN」より「YOKOSO!NIPPON」のほうが新鮮ではないかというのだ。
 ご存知かと思われるが「ジャパン」という呼称は800年ほど前マルコ・ポーロが「東方見聞録」の中で中国更に奥に黄金づくしの国「GIPANGU」があるそうだと書いたことに端を発している。彼の間違った伝聞が後に「ジャパン」へと変化し定着したのである。しかし「日本」は更に昔、7世紀~8世紀にかけて「倭・倭国」が国内の「大和政権」の力が強くなり「倭」を「やまと」と読むようになり、更に「やまと」を「日本」と書くようになった。そしてこれを漢音で「ニッポン」呉音で「ジッポン」と読むようになったのである。国名はブランドであり他国との差別化に活用される。そこで対外的国名を「ニッポン」に統一し、各国に宣伝をすれば大金をかけずに観光アピールができるのではないだろうか。

【感想】
 「ジャパン」と「ニッポン」、使い分けるとしたら英語を使う時か否かであり普段それほど意識もしていないため、日本の他に対外的国名を持つ国がなかなか思い当たらないなと思いました。また、国名を統一し新たにアピールをと筆者は言っているが完全に統一は困難であるとともに、国がしっかりとしたイメージを今まで持っていなかったのかと思われてしまうのではないかなとも感じた。

・ 文献購読
第4章 ハードウェアとソフトウェア p.248~281
~テープレコーダー(ICレコーダー)、カメラ、フィールド日記・フィールド日誌、
マナーとエチケット~   07HA079N 真田栄美

1.要約
【テープレコーダー(ICレコーダー)】
 テープレコーダーは手書きのメモだけではカバーしきれないインタビューの内容を記録できるが、テープを起こして文字にするという作業は手間がかかる。現在ではICレコーダーが使われ、録音した内容を電子ファイルの形でパソコンに保存し、利用することができる便利な道具だ。しかし、テープには聴覚的な情報しか記録できず、内容を起こすのも機械的な作業のため、はかり知れない価値をもつ情報を記録し再生できるのは、テープレコーダーではなくフィールドワーカー自身である。
【カメラ】
 カメラは非言語的コミュニケーションという領域で、視覚情報を把握し、情報を保存・伝達する上での可能性を飛躍的に拡大させた道具だ。一方、「客観的な事実を正確に写し取る機械」としてとらえるのは誤解で、目の前に広がる世界をとらえるという点では肉眼に太刀打ちできない。しかし、記憶を呼び起こすことや、事実認識や解釈の違いを浮き彫りにすることができる。
【フィールド日記・フィールド日誌】
 馴染みのない土地に一人で滞在して行う調査には特有のストレスがつきものであるが、そんな時日記は自己治癒の手段となる。また自分のおかれた環境の状態を測るだけでなく、フィールド体験による自分自身の変容をとらえることができる自己確認の手段ともなる。
【マナーとエチケット】
 フィールドワークでは、対象者との密接な人間関係を前提として調査を行うことが多く、倫理的な問題に配慮が必要となる。それは、①現地での調査中に自分の言動が現地の生活に対して与える影響、②調査の成果が民族誌として出版されることの影響である。フィールドワーカーに要求されるのは、高度なレベルでの常識人としての心構えと判断力で、結局のところ現場における実践で身に付けていくしかない。
2.感想
 客観的分析も必要だが、機械に頼らずに現地を自分自身の五感で感じ、素直に記録することがフィールドワークでは大切であると感じた。フィールドワーカーは現地の人々にとって単なる異人であり、彼らの生活をかき回したり多大な迷惑をかける恐れもあるので、自分の調査だけに没頭したり一方的な押しつけにならないよう、十分に注意しなければないと思った。今後の調査ではこの本で学んだことを意識して行いたい。

・文献研究1
世界遺産登録に対する住民の意向について-鹿児島県屋久島を事例として-
柴崎茂光・拓植隆宏・土屋俊幸・永田信 日本観光研究学会第21回全国大会論文集(2006年)
07HA025Y 遠藤真希子

1.概要
 本論文は、鹿児島県屋久島を対象としてアンケート調査を行い、世界遺産登録や管理体系に関する島民の意向を把握したものである。アンケート調査の結果、遺産登録後に観光客が増加し、それが一因となって屋久島全体の自然環境が悪化していることを多くの島民が憂慮しており、現在の自然環境をこれ以上悪化させることなく子孫に引き継ぐために、自然環境の管理に対して島民自身が関わる必要性を挙げていた。

2.各章の要約
1)はじめに
 日本では現在13地域が世界遺産に登録されているが、遺産登録のあり方をめぐって、周辺の地域社会では様々な問題が提起されている。本論文では、1993年に山岳地域の一部が世界自然遺産に登録された鹿児島県屋久島を対象として、世界遺産登録が地域社会に及ぼした影響や屋久島の自然資源管理に対する住民参加の可能性を、島民の意向から明らかにすることを目的とする。
2)方法
 屋久島には現在1.4万人の島民が暮らしているが、アンケートには世界遺産登録前後を比較する設問を用意したため、登録以前の屋久島の状況を知っている20代以上の島民に調査対象を限定し、2006年7月から8月にかけてアンケート調査を実施した。回答者は、性別・年齢・地域に偏りがでないように、島民調査員から約15名ずつ選出してもらう方法を採用した。その結果、368名からの有効回答を得ることに成功した。
3)結果
①日常生活における自然環境の利用状況 島民の多くは、里地(畑及び里山)にはよく行くものの、山岳地域に関しては『年に数回』、『行かない』といった回答が約9割を超えた。
②屋久島の自然環境に関する情報の入手方法 テレビや新聞といったマスメディアを情報源とする人が多かった。
③登録前における島民の意向 登録以前から登録を希望する意見が島民からあげられていたか否かを質問したところ、『あまり希望はなかった』『全く希望はなかった』『わからない』の回答者の合計がいずれの年齢層においても約6~8割を占めた。
④世界遺産登録前後における状況の比較 約8~9割の回答者が報道、知名度、移住者、観光客数、ガイド数が登録後に『増えた』と感じていた。また、いずれの地域についても約6割の回答者が、登録後に『悪くなった』と実感していた。
⑤望ましい将来の状況 自然環境や経済状況に関して、『将来的には良くなって欲しい』という回答が約9割を占めた。
⑥自然環境を守る仕組みや公的機関の取組への評価 約6割の回答者が、山岳地域、里地・海岸地域ともに『やや不満』、『かなり不満』のいずれかに回答していた。その理由を尋ねたところ、『自然環境が悪化しているから』が過半数を占めた。
⑦自然環境を守ることに対する住民参加の意向 屋久島全体の自然環境を守っていくことに対して、93%の341名が島民が今よりも積極的に関わる必要があると回答し、その理由は『子孫に今の自然を残したいから』が最も多かった。
4)まとめと考察
 今回の調査から、屋久島の遺産登録は、地域社会からの強い要望があったわけではなかったが、登録後には島民としての誇りが増しており、遺産登録を好意的に受け入れたということがわかった。しかし、島民が自然環境の悪化に対して不満を持っていることは調査結果を見ても明らかであり、島民自身が自然環境を守るために主体的に計画を策定することを望んでいた。

3.評価と感想
 世界遺産の負の面に関して興味があったのと、学生のうちに屋久島に行ってみたいという気持ちがあったので、知識を深めるためにこの論文を選んだ。世界遺産登録をゴールとしてしまうのではなく、登録後も地域住民と行政、観光客が互いに協力し、世界遺産を後世に残していかなければならないということを改めて学ぶことができてよかった。

4.ディスカッションポイント
 世界遺産登録による自然環境の悪化対策
・ボランティアでごみ拾い ex)富士山 ・小さい頃からの環境教育
・「いつもきれいに使って頂きありがとうございます」という誘導 ・交通規制 ex)上高地
・入場制限 ・コース作り ・マットで持ち込み禁止

・文献研究2
ドイツの農村における地域振興策と観光振興
富川久美子 日本観光研究学会第21回全国大会論文集(2006年)  07HA047E 金山瑠衣

1.概要
 近年、合併により広域となった自治体が観光振興を図る傾向がみられるが、地域の政策は住民の生活環境の向上を目的とすることが望まれる。本研究では、ドイツ連邦の農村地域における観光と農業政策の構造を明らかにしたうえで、その具体例としてドイツの一農村地域における振興策の構造を検証した。その結果、農村地域の振興策は、ドイツ連邦の政策と同様、多様な分野の複合体であり、それらの分野もほぼ一致することが実証された。

2.各章の要約
1)はじめに
 ドイツでは、観光政策は複数の分野の複合体であるとされ、また農村地域の振興策も、様々な分野からの施策が必要であるとされている。したがって、観光振興は地域の政策の一部とされているか、あるいは施策の過程で結果として表れていると推察される。
 本研究では、このようなドイツ連邦の観光と農村地域の政策の構造を明らかにしたうえで、その具体例として一農村地域の振興策の構造を検証し、さらに地域振興策における観光振興の位置づけを考察する。
2)ドイツの観光政策と農業政策の構造
 ドイツ連邦の観光政策は、観光が経済活動に重要な位置を占めているとされ、1975年の開始以来、経済・技術省による経済政策の一部とされている。ドイツ連邦の観光政策の目的は、継続的で時代に即した観光発展を確保することであり、それを大前提としてEUなどの国際組織や各省による観光政策の枠内で、さらに各州によって独自の政策が施行されている。
 一方、ドイツ連邦の農業政策は、消費者保護食糧農業省の名称のとおり、消費者保護と環境保全が基本であるが、農村地域における目標は、農村の生活、労働、レクリエーション、文化環境において経済的・社会的に充実した魅力的な地域の形成である。
3)「ノイビュルク周辺」における地域振興策
①ノイビュルクの地域と組織
 ノイビュルク周辺―フレキッシェ・シュバイツは、バイエルン州北部のバイロイト郡フレキッシェ・シュバイツ地方にあり、広さは南北約50km、東西約30kmの範囲に及ぶ。1983年、地域北部のオーベルンゼーで温泉が見つかり、その温泉を利用したテルメ施設が建設された。このテルメ建設が計画された時に「オーベルンゼー・テルメの周辺土地計画に向けた地域振興構想」が立案され、これを遂行するにあたり、EUのリーダー事業の支援を受け、1999年9月にバイロイト郡の主導でノイビュルク地域振興組織が結成された。
②組織の目的とプロジェクトの推進
 ノイビュルク地域振興組織の目的は、農業、経済、環境、文化の持続可能な発展であり、地域振興構想の下、広報、農業、経済(企業)、観光、芸術・文化の分野のプロジェクトを実施している。
③プロジェクトの成果
 2005年8月に公表された、プロジェクト開始の1999年9月以降6年間の数字でみる主な成果は、60以上のプロジェクトの実施、住民の3%がプロジェクトに参加、600以上の新聞記事の掲載、50件を超える住民による商品開発とサービス業の開始などが挙げられる。地域振興組織は、目的どおり多様な分野のプロジェクトを推進し、インフラの整備や住民のアイデンティティの形成、また地域の活性化など様々な成果をあげたといえる。
4)おわりに
 ドイツ連邦の農村地域における観光と農業政策の構造は、経済、社会、環境保全、余暇、国際的な組織、州などの政策、の6分野の複合体として構成される。本研究が対象とした地域では、振興策によって持続可能な発展が目指されているが、その施策は多角的であり、プロセスが重視され、そして自治体の境界を越えた住民が主体となって推進されている。このような地域振興策が、広域となった日本の多くの自治体にとっても先行事例となる可能性がある。

3.評価と感想
 私の関心のある国の一つであるドイツが題材となっていたこと、また地域振興策と観光振興というテーマに惹かれこの論文を選んだ。地域の政策は、観光振興を目的とするのではなく、住民の生活環境の向上を目的とすることが重要であるとわかった。観光振興は、観光客のためではなく、住民のためにされるべきである。地域振興を図る際には、生活環境をより快適なものにするための住民活動を行政が支援していくなど、地域住民と行政が互いに協力し合うことが大切であると思った。

4.ディスカッションポイント
 地域振興のためのプロジェクトの提案
<地域活性化のためのアイディア>
・広報事業:マスコットを作る、HPの作成、TV番組に取材してもらう
・農業分野:郷土料理を作る(地産知消)
・観光分野:観光マップの作成、花火大会などのイベント開催、街全体をディスプレイ
・経済分野:地域振興券の発行
・芸術・文化分野:野外ライブ、地域出身の芸術家を招いて個展

 地域住民のアイディアから生まれたプロジェクトを実践し、それが成果をあげることで住民のアイデンティティ形成や地域活性化につながる。

2009/06/29

・スピーチ1
ツーリズムの新しい諸相
「ひらど遊学ねっと.」の立ち上げ p,94   07ha108e 堤もも

【要約】
 長崎県平戸市。人口は現在約3万9000人。平戸は早くから日本と世界の接点になってきた。平戸にポルトガル船が初めてやってきたのが1550年。そして、1609年には外国への門戸が開かれ「西の都」 と呼ばれるほどの賑わいを見せていた。
 しかし、今や平戸は高齢化や後継者減少、遊休地の増加など様々な問題を抱えている。そこで、地元の観光協会の仕事を手伝っている籠手田さんが「何か自分たちにできること」を探し、「新しい事業をおこすための活動を継続的に市の全域に広く呼び掛けていこう」と「ひらど遊学ねっと.」という新しいNPOを設立した。このNPOを著者は、日本の新しいインバウンドツーリズムのビシネスモデル確立を目指していると述べている。
【感想】
 「ひらど遊学ねっと.」の事業計画はトップにノーマライゼーション推進が挙げられている。誰でも楽しむことが出来るバリアフリーのユニバーサルシティを目指すという点で魅力的だと思った。このようなNPOの活動を行う地方が増えることで、地方の活性化につながり観光客を呼び込む地域密着型のインバウンドビシネスが進展し、都市との格差が少しでも縮まればいいと思った。

・スピーチ2
ツーリズムの新しい諸相
次々に上がる世界遺産への名乗り p,266   07ha140b 藤井英里香

【要約】
 世界遺産は「地球の生成と人類の歴史から生み出され、過去から引き継がれた人類共通の宝物」で、2006年現在世界全体で830件が登録されている。
 世界遺産にはその保存管理状態を監査報告するシステムがあり、状況が望ましいものでなければ登録を抹消されることも有り得る。世界遺産制度は価値を与えるもので、守っていくのは国や地域である。よって、世界遺産登録地域にとって大切なことは、いかに観光地としてサステーナブルなマネジメントができるかという点にある。世界遺産はその地域の人達だけでなく観光客も一緒になって将来に向け、そこがよりよい状態に保たれていくよう継続的な努力をしなくてはならないと条件付けられている。世界遺産登録よりも先に地域環境全体のマネジメントがきちんと計画立てておかれる必要がある。気が付いたら観光客がどっと押し寄せてしまったというのでは遅いのだ。
【感想】
 世界遺産は、世界レベルの遺産を後世へ引き継いでいく為の制度であるのに、世界遺産になったために逆に劣化していくという事例を知り、きちんとした入場規制などの観光客対策や、風景を守る制度の必要性を再認識した。
 世界遺産に登録されるとメリットが多く出てくるため、名乗りを上げる遺産が多いが、世界遺産があまりにも多くなってしまうと貴重性が薄れて世界遺産の威厳が落ちてしまので、厳格な審査基準がますます必要になると思った。

・文献研究
日光と箱根における観光者の行動・評価特性の分析~外国人観光者と日本人観光者の比較~
野瀬元子、古屋秀樹 日本観光研究学会第22回全国大会論文集(2007)   07HA006Y 新井美春

1.概要
 日光、箱根の観光者の行動・評価の特性把握を目的とし、比較のため外国人観光者と日本人観光者を対象とした質問し調査を実施した。これより、観光対象側の資源の違いとともに評価者が来訪前に持っていた期待が事後評価に影響を与えていたことが考察できた。

2.各章の要約
1)はじめに
 本研究では、国際観光地としての歴史的背景を持つ日光、箱根を事例として、外国人観光者の行動・評価の特性を日本人観光者との比較および観光地の比較分析により明らかにすることを目的とする。
2)本研究の位置づけ、調査概要
 本研究は、観光者が観光行動後に行う評価の形成プロセスの解明を分析対象とする。個人要因、旅行に対する志向、文化要因から当該地への来訪者像をとらえ、観光行動前の事前期待および事後評価の特性を把握する分析モデルを仮定する。日光と箱根の外国人・日本人観光者を対象に、訪問箇所、事前期待、事後評価、観光旅行に対する志向、来訪回数、個人属性などの設問項目を設定し、英語版、日本語版のそれぞれの調査票による質問し調査を実施した。
3)調査結果
①サンプル属性
 性別構成は、日光・日本人観光者で女性の割合がやや高く、その他はほぼ半数。年齢構成は、箱根・外国人観光者は10代の比率が他のサンプルに比べて高い。
②来訪回数
 初めて来訪した観光者の割合は、日本人観光者では日光33.1%、箱根21%で日光がより高く、外国人観光者では日光88.3%、箱根92.9%で箱根がより高かった。
③利用交通手段
 公共交通利用は外国人観光者では、日光で95%、箱根で74%。日本人観光者では、日光で58%、箱根で24%。
④観光旅行に対する志向
 「新しい発見要素がほしい」「異文化へ配慮する」など、日光、箱根の観光地を問わず、外国人観光者が高い重要度を示した。
⑤立ち寄り行動
 日光、箱根ともに主要観光箇所で公共交通を利用して観光する外国人観光者が日本人観光者より高い傾向が見られた。
4)事前期待と事後評価
 観光行動に対する来訪前の事前期待の強さ、観光行動後の事後評価の平均値を示した。
5)まとめ
 今回の調査から、日光、箱根に来訪する観光者が持つ観光行動前の事前期待と行動後の事後評価に、外国人観光者と日本人観光者で違いがあり、来訪する属性、来訪回数などにもそれぞれ特徴があることが示された。

3.評価と感想
 外国人と日本人では、観光旅行に対して期待する内容やその度合が大きく違うことを知って、異文化の中での観光者の心理行動はとても興味深いと感じた。観光地別や観光者の発地別などの評価の違いについて研究してみるのも面白いと思う。そういった細かい調査をしていけば、より細分化した観光者行動の特性について理解することができると思う。

4.ディスカッションポイント
 旅行における事前期待と事後評価の格差について
【実際の旅行において、事前と事後のイメージの違いとは】
・ハワイ→アメリカンなイメージ→日本語や寿司屋など日本風な面が多かった
・台湾→古く、物価が安そうなイメージ→高層ビルが多く、発展している
・北海道→広大なイメージ→家が密集し、道も狭かった

 事前と事後でプラスのイメージになる場所とマイナスのイメージになる場所のどちらも多く挙げられた。こういったイメージの違いを埋められれば観光者の満足度もより高くなると考えられる。

・実習
発想法入門
p.152【Ⅵ】ブレインストーミングとその応用   07ha133h 服部紋子

1.要約
【ブレインライティング】
〈概要〉635法を基に作られた発想法で、前の人のアイディアに肉付けし「タネになるアイディアを参加者が一緒になって考え、育てていく」発想法。
〈特徴〉1つのアイディアが違う視点によって検討され、発想の段階での共同作業が行われる点
〈方法〉①6人のスタッフが3つずつのアイディアを5分間で考えて紙に書き、順次隣に回していく。その際前の人のアイディアをよく読み、発展させたものを書く。
②どうしても思いつかない・出し切ったと感じた場合は太線を枠の下線に引く。
③空欄のままで隣に回さない。
【ブレインストーミング】
〈概要〉「批判一切お断り・自由奔放・量を求む・組み合わせ、改善」というルールに則り、会議を進める
【ゴードン法】
〈概要〉始めは本当のテーマを告げず抽象的なテーマだけ与えられて行うブレインストーミングの一種。
【635法】
〈概要〉6人など多人数のスタッフが3つずつのアイディアを5分間で考えて紙に書き、順次隣に回していく。

2.感想
 「発想法入門」というと面白くなさそうだなと思って読み始めたが、実際読んでみると優れたアイディアを生み出すためにはこれまで実に様々な発想の方法が編み出されてきたのだなと思い感心した。単に話し合うだけが会議ではなく、異なる視点から物事を見てアイディアをうまく引き出すことが、集団に必要な力なのだなと認識することができ勉強になった。

3.ディスカッション
 ブレインライティングを7人ずつのグループに分けて行った。題材は「新しいチョコ菓子の開発」についてで、男性をターゲットにしてディスカッションを行った。結果、Aグループは「おチョコ(商品名)」Bグループはさわやかなガムと合わせるちょこ」というアイディアが挙がった。

2009/6/22

・スピーチ
ツーリズムの新しい諸相p.134
小笠原という楽しい学びの場  07HA151E 三口和朗

 2007年10月、埼玉県立川越西高校が300人で小笠原を修学旅行で訪れた。生徒に行き先アンケートを取ったところ、大阪+九州の34%、沖縄の14%を抑え、小笠原は42%を獲得した。著者は沖縄という年間600万人も訪れる一大観光地や、関西・九州といった人気観光地よりも、年間2万人足らずしか訪れない小笠原が高校生にここまで人気があったことに驚いたそうだ。まだまだこれからの観光地と言っていい小笠原になにがしかの物珍しさか、新鮮なイメージや世界遺産の暫定リストに載ったことが影響しているのか、はたまた漠然とした遠い小さな島のイメージが高校生の感性に響いたのかもしれない。この学校の先生は生徒が涙を流すような感動のある旅にしたかったそうで、村を挙げての歓迎や交流、イルカやウミガメとの出会いや星空や夕日の美しさを学生たちに味わってもらった。事後アンケートに於いて学生たちは、「小笠原は良かったか」という問いに89%が「はい」と答え、「ぜひまた行きたい」と答えた学生は37%、「機会があればまた行きたい」と答えた学生は55%、体験プログラムには73%が満足したと答えている。小笠原に於ける観光や体験プログラムは小規模の業者が総出で分担し、きめ細かなサービスを提供している。小笠原村観光協会のページによると体験プログラムを行っている業者は51もある。普通、旅行会社や先生は皆に同じ体験をさせることを求めがちで、それが大量生産的な味気ないものとなり、結果的に生徒の興味や満足感をそいでしまう。しかし、小笠原の場合は小さな宿やアクティビティを持った業者がそれぞれのホスピタリティや工夫を凝らしている。本土の観光地に比べれば小笠原は小さな家族資本の宿泊施設ばかりで、規模も設備も不十分に映るかもしれない。しかし、学生たちの事後アンケートでわかった高い満足度は、規模の小ささゆえの手づくりサービスの実感によるものだ。出航時の見送り・お別れの演出など、ホストとゲストの素直な心の触れ合いがある小笠原の取り組みはよそではそう真似できるものではない。
 2005年に文科省の長期宿泊体験活動の研究助成を受け、12日間の「小笠原アドベンチャースクール」を行った、都立上水高校の例がある。現地に滞在した10日間で戦跡訪問、登山、郷土料理、沈没船やサンゴの海中観察、南洋踊り、ウミガメ保護、タコの葉細工、レジャー体験、漁協見学、ボランティア活動などの小笠原の体験活動メニュー群を行った。
 東京から25時間かけて行く場所と言えば南米かアフリカ大陸だが、そこまで出かけて2、3日で帰ってくる人はいないだろう。小笠原でも25時間かけて行ったならば、長期滞在が望ましい。ここは他の地域に比べ、予算が大きくなることがなく割安だ。短期なら短期なりに、長期であればより一層充実した体験プログラムを受けることができる。日本人の休暇は他の国に比べて格段に少ないが、時間の許す限り小笠原のような大自然の恵みに触れ、エコツーリズムを体感してもらいたい。遠いと思う人も数多くいると思うが、小笠原は景色も素晴らしく、本当に数多くの体験プログラムが用意されており、今話題のエコツーリズムにはとても良い場所だと思う。55軒ある宿の詳細には宿泊客の声が載せてあり、皆満足していたようだ。
【感想】
 長期滞在が可能な時間を作ることができればぜひ訪れて、エコツーリズムを体験してみたい。

・文献購読
フィールドワーク増訂版
第4章ハードウェアとソフトウェアP206~247
『分類と配列、フィールドノーツ、定性的コーディング(質的コーディング)、ファイル、QDAソフトウェア』   07HA068K  近藤翠

【分類と配列】
 集まった調査資料を分類・整理すると、多くの場合「分類の誘惑」のワナに陥ってしまい、その時点で出来上がった図式・理論に囚われ、以後の資料のうちはみ出したものを対象から除外してしまう。それを避けるため一般的な対象を基準に並べる「配列」が有効である。
【定性的コーディング(質的コーディング)】
 「質的データ(定性的データ)」はある種きたないデータのように見えてしまう。データをまとめるため分析作業「コード化・コーディング」を行う。また定性的コーディングは作業を通じてコード振り分けが見えてくるため「たたき上げ式コーディング」の性格を色濃く持つ。
【ファイル】
 フィールドワークはファイルワークでもある。ファイリングには「脱文脈化(セグメント化)」と「再分脈化(再編集)」の2つの手続きが含まれているが、力を入れすぎて「自己目的化したファイリング」のワナに陥ってしまう恐れがある。
【感想】
 ある程度収集したデータをどのように取り扱うのかで、その後の調査に影響が出てきてしまうことを学び、収集だけに力を入れすぎでも、分析だけに力を入れすぎでもよくないということで、改めてフィールドワークの大変さを感じた。今回取り上げたテーマは勿論であるが本全体を少しでも意識してフィールドワークに取り組めるようにしたい。

・文献研究1
記憶に残る旅行の特徴に関する研究
安達 寛朗 日本観光研究学会第20回全国大会学術論文集(2005年)
07HA178N 若海彩
1.概要
 旅行の楽しみは記憶を通じて旅行後にも派生するが、全ての旅行が同様に回想されるわけではないと考えられる。そこでどのような旅行が記憶に残っているのか、記憶に残る旅行の特徴を明らかにすることを目的とする。

2.各章の要約
 1)はじめに
 旅行の特徴の一つにその体験を自分の「心」の中にいくらでも蓄える事が可能である点が挙げられる。回想のされやすさは、旅行者の当時の状況や旅行の内容などに大きく影響を受けると考えられる。そこで記憶に残っている旅行の特徴を明らかにする事を目的とし、研究を行った。
 2)研究の方法
 日本全国に居住する18歳以上の男女を対象として今までの中で最も記憶に残っている旅行に関するアンケート調査を行った。被験者の属性や海外旅行の経験などもあわせて質問している。その結果と「旅行者動向2005((財)日本交通公社)」や「観光の実態と志向((社)日本観光協会)」などから得られる一般的な観光旅行の実態と比較することで、記憶に残っている旅行の特徴を明らかにした。
 3)記憶に残っている旅行の概要
  ①同行者
   国内旅行では「家族連れ」の割合が高い。海外旅行では「夫婦」の割合が高い。
  ②旅行タイプ
   国内旅行、海外旅行ともに「自然や名所を見る」の割合が最も多い。
  ③宿泊数
   国内旅行では「2泊」の割合が最も多い。海外旅行では「6泊以上」が過半数を占めている。
 4)記憶に残っている旅行の実施時期 
  ①全体
  ②年齢別の分析
   「18~19歳」「20~24歳」では"4年前以降"の割合が大きい。
   「25~29歳」から"昨年以降"の割合が小さくなっている一方で"5年以上前"の割合は「45~  49歳」まで増加している。
  ③夫婦旅行と海外旅行を除外した場合
   「25~29歳」の"5~10年前"と「30~34歳」の"11年以上前"が増加している。また、「35~3  9歳」の"昨年以降"、「40~44歳」の"2~4年前"の割合も増加している。
 5)記憶に残っている旅行の旅行タイプ
  海外旅行の経験のない被験者を対象に分析を行う。
  30代以下では「4年前以降」の"テーマパークで楽しむ"の割合が大きい一方、「5年前以降」で は小さくなっている。"テーマパークで楽しむ"旅行は時間が経つにつれて記憶に残りにくいとい う可能性が示唆された。"自然や名所を見る"は年代が上がるにつれて割合が大きくなってい  る。また全ての年代において「5年前以前」の割合が大きい。"自然や名所を見る"旅行は年月  が経っても記憶に残りやすいことが分かった。
 6)まとめ
  記憶に残りやすい旅行の同行者は「夫婦」で、旅行タイプは「自然や名所を見る」、旅行宿
 泊数は長期間であることが明らかになった。また、年齢によって記憶に残っている旅行が実施さ れた時期が異なる様子や「自然や名所を見る」旅行は時間が経っても記憶に残りやすいことな ども明らかとなった。

3.評価と感想
 記憶に残る旅行の特徴というタイトルに惹かれてこの論文を選んだが、年代によって結果に差が出るなど、面白いと思った。私は思い出は美化されると思っていて、どの旅行もいい思い出として記憶に残るような気がしていたが、知らず知らずのうちに何かの影響で特に記憶に残っている旅行もあるということに気づかされた。今後、記憶に残るような旅行を多く経験していきたいと思った。

4.ディスカッションポイント
 記憶に残る旅行にするためには何が必要か
【記憶に残っている旅行の良かった点】
・お見送り
・青春18切符を利用し、全部自分でプランを作る
・異文化に触れる
【記憶に残る旅行になりそうな要素】
・現地の人との交流
・きれいな景色
・非日常
・友達作り

 ゼミ合宿もこの様な事に意識して取り組めば有意義な記憶に残るゼミ合宿になるかもしれない。

・文献研究2
祭りの運営実態とその評価に関する研究
キム・ヒョンオ 日本観光研究学会第19回全国大会論文集(2004年)
07HA005W 網守大輝
1. 各章の要約
 1)はじめに
  1980年代後半から、全国に津々浦々で"むらおこし""地域づくり"が盛んになり、地域振興に  とって祭りの役割は極めて大きくなっている。しかし、多くの祭りの中には経営戦略に欠けるも  のが多く、その多くは他の祭りの模倣であり、地域の個性をまったく感じさせないものも少なくな い。そこで、日本における祭りの運営実態分析とその祭りを主催者はどのように運営評価して  いるのかをより詳細に分析し、その特性を明らかにするとともに、今後の日本の祭りの運営評  価のための基礎資料を得ることを目的とする。
 2)祭りの運営評価に関する理論的考察
  祭りの運営の成功は、祭り開催の目的を決め、観客を理解し、祭り実施の必要条件に合致す る組織構造を創り、本来の目的を果たす上での祭りの有効性を評価できる組織者が有している かで決まる。評価は経営管理業務の継続であり、祭りの次回開催の運営のプロセスと手順の  開発を助ける。
 3)調査の概要及び調査結果
  ①調査の概要
   祭りの主催者を対象に運営調査票を用いて調査研究を行った。調査対象のデータは、日経  BPイベント事典2002年度から100ヵ所、週刊朝日百科2004年版から150ヵ所を選定した。
   調査期間は、2004年8月から9月にかけ、250の祭り主催者を対象として、調査票を直接郵  送し、140部を回収(回収率56%)した。
  ②運営評価
   祭りの運営評価は5段階評定法を用いており、主催者による運営評価属性の平均値は、会  場運営3.82、準備管理3.79、組織体制3.75、事後管理3.73、基本計画3.58の順になった。
 4)おわりに
  祭りを運営する指針となる基礎を提供し、また運営評価分析が祭りの目的達成ばかりではな く、短期と長期の成功を決定する、基本的な戦略的運営戦略目的の実現の鍵となる要素であ  ることを示した。

2.評価と感想
 この時期に最盛期を迎える祭りが観光にどのように貢献しているのか、またその運営実態に興味をもってこの論文を取り上げた。祭りの開催は、地域振興、観光客の誘致、地域伝統の保存などと様々なメリットを持っていることが分かった。この祭りをしっかりと運営戦略することによって地域を活性化出来るのではないかと思った。

3.ディスカッションポイント
 観光客を呼ぶため地域の祭りに必要なものとはなんだろうか。
【祭りと言ったら何を連想するか(何が必要か)】
 ・提灯・ポスター・人(お客)・地元住民の協力・出店・踊り・御神輿・活気
【 地域の祭りに必要なもの】
・地域特性のオリジナル・地元民との交流・花火・浴衣の着付け・地域の案内
・観光客も参加で出来るイベント・一部分を少しずつ変えてマンネリ感をなくさせる
【結果】
 他の祭りの差別化を図るといった意味でも、地域特有のオリジナル感が観光客を集める一つの要因ではないかと思った。こういったオリジナリティーを調べることによって新たな観光のスタイルが見えてくるのではないかと思った。

2009/6/15

・スピーチ1
ツーリズムの新しい諸相
白川郷を「まるごと博物館」に~至急望まれる観光劣化への手立て  07ha133h 服部紋子

【要約】
 白川郷は昨今観光暴風に見舞われている。この状況を打開するためには、1960年代後半に始まった「エコミュージアム」の考えに乗っ取った観光客・旅行業者・地域の人々の役割わけの明確化と協力が必要不可欠である。
 白川郷で行われた「全国エコツーリズム大会」ではみな、観光客が入場料を払うべきだという意見が多くみられた。白川郷の自然・文化・人々の暮らしを保護し、敬意をもって拝観するという意識があればそれが500円でも不思議ではない。海外の国立公園などでは、すでに常識化していることである。
 また、旅行業者への注文は厳しく今までの「世界遺産」というブランドに頼った滞在時間1時間などという観光プランは、持続的観光マネジメントの面でも客の顧客満足度を上げるためにも見直されるべきなのである。
 さて「博物館」化においては一刻も早くバス・車を排除せよと叫ばれてきた。集落の外にモータープールを作る、エコエネルギーのシャトルバスの導入や歩くルートの整備など入場料はこのようなインフラ整備に使いそれを公開していく。こうした取り組みによって観光客は減るかもしれない。しかし今のままでは数は減るどころか地域の魅力が消滅する。
【感想】
 魅力ある観光地づくりを提案する際はまず、その観光資源の価値を守ることが大事であると感じた。

・スピーチ2
ツーリズムの新しい諸相p.56
ぜひ一度、エコツアー体験を  07ha079n 真田栄美

【要約】 
 エコツーリズムとは、地域の環境や生活や文化を破壊せずに自然や文化に触れ、それらを学ぶことを目的に行う旅行、滞在型観光等を指す。地域ぐるみで自然環境や歴史文化など地域固有の魅力を観光客に伝えることにより、その価値や大切さが理解され、保全につながり還元されていくことを目指していく仕組みだ。観光客に地域の資源を伝えることによって、自分たちの資源の価値を再認識し、地域の観光のオリジナリティが高まり、地域社会そのものが活性化されていく。
 現在エコツーリズムは理念としては尊重されているが、それを具体化したツアー形態であるエコツアーはニッチ市場にあり、本来の持続可能な社会の実現には、マスツーリズムをいかにエコ化していくかということの重要性が認識されつつある。エコツーリズム推進法が平成20年4月1日に施行された。
 日本の旅行業界の中でエコツーリズムという言葉が使われ始めたのはおよそ20年前だが、世の中が地球環境を重視しだし、マスツーリズムの中においてさえ、エコツーリズムの考え方をこれからの商品や業務に取り組んでいかなければならないとする雰囲気になっていった。
 エコツアーには形の上の条件がある。①少人数②ゆっくりした日程③静かに④なるべく歩く、あるいはカヌーや自転車などの利用⑤解説者がつく、などである。なかでも優れたインタープリターがキーである。岩波新書の「日本エコツアー・ガイドブック」で全国16地域のエコツアーサイトが紹介されているので参考にするといいかもしれない。各地エコツーリズムの核になっている人物17人に焦点を当て、彼らのエコツー観、というより価値観や使命、生きがい、地域への愛や誇りなどを語ってもらいながら、彼らが作り上げたエコツアーを紹介している。
【感想】
 最近エコツーリズムはよく話題になっている。エコツアーには条件があり、特にインタープリターが重要であることが分かった。様々なエコツアーが行われているが、私自身実際に参加し体験してみなければならないと思う。これからますますエコツーリズムは広がるだろうし、地域の活性化においても大切な要素になるので、とても興味をもった。

・文献研究
まちの魅力という観点から捉えた温泉商店街の建物の空間構成
―草津温泉と粟津温泉との比較―
田代展子・堀繁 日本観光研究学会第22回全国大会論文集(2007年)   
07HA167K 山科友紀

1.概要
 本研究は温泉商業街の空間構成について、集客率の高い草津と低い粟津とを比較した。その結果、草津温泉は粟津温泉と比べて、①観光客が楽しめる土地が多い②壁や塀などが少なく、透過部が多い、③誘客する設置物を多数置いていることが明らかになった。

2.各章の要約
 1)研究の目的と方法
  バブル崩壊以降、温泉地の人気は二極化した。大きな要因の一つに、「訪問印象をどう感じる か」が挙げられる。この「訪問印象」は、温泉地全体で決まるというより、温泉商業街に影響され るといっても過言ではない。本研究は、多客温泉地の代表「草津」と、少客温泉地の代表「粟   津」を対象に、まちの魅力という観点から沿道の建物の空間構成を明らかにしようとしたもので ある。
 2)観光客にとっての魅力という観点から見た土地利用
  対象商業街の沿道の土地利用一つ一つについて、①その状況と②接道距離を調べた。土地 利用は、観光客から見て魅力を持つもの(物販店、飲食店、旅館・民宿、娯楽店)、持たないもの (民家、駐車スペース、その他(銀行、建設事務所))で項目を分けた。すると、魅力のないものが 草津では少ない(6.1%、5.9%)のに対し、粟津は50%、47.7%と大きく、異なることが分かった。
 3)観光客にとっての魅力という観点から見た商業施設の接道構成
  対象商業施設の物販、飲食、旅館・民宿、娯楽の4種について、それらの接道部の構成を調  べ、建物(入口、ショーウィンドウ、窓、塀・壁)、それ以外(植栽スペース、通路・隙間、駐車スペ  ース)の大きく2つ、細かくは7つに分類、整理した。そして、それらの構成割合を明らかにするた めに、接道距離の割合を調べた。その結果、草津の商業施設は、塀・壁などの不透過部が少な く(24.8%)、ショーウィンドウなどの透過性のある部分が多い(63.3%)のに対し、粟津の商業施  設は不透過部分(49.3%)が透過部分(40.1%)よりも多いことが分かった。つまり、草津が集客し ているのは、商業施設の多少だけでなく、その接道部の構成自体に魅力があると考えることが 出来る。
 4)観光客にとっての魅力という観点から見た設置物
  対象商業施設の設置物を調べ、それらを「集客の装置("商品"など、何を商売にしているのか 一目で分かるもの)」、「迎客の装置("ベンチ"など、客を迎えるメッセージの伝わるもの)」、「挨  拶の装置("植物"など、店舗に関係なく人が気持ちよく通れるような挨拶的な性質をおびたも  の)」、「その他(生活に関するもので商業的な意味を持たない)」の4つに分けて整理した。結果、 草津では挨拶の装置が少ない(8.2%)のに対し、集客の装置が67.4、迎客の装置が22.6%と観 光客を意識した設置物が多く見られた。一方で粟津では、集客(26.0%)、迎客(12.7%)よりも挨 拶(51.4%)が多く、観光客をもてなすメッセージ性が弱く感じられた。
 5)まとめ
  多客温泉地の草津は、商業街に数多くの透過性の高い魅力的な商業施設が集積し、温泉観 光客が買いたくなるような設置物を多数置いていることが分かった。一方で、少客温泉地の粟  津は、魅力的な商業施設がほとんどなく、設置物は植物を多数置いてあることが分かった。こ  のことから、集客率を上げるためには、①商業施設を集積させ、その中に他の土地利用が入ら ないようにする。②壁を抑え、魅力ある店内がよく見えるように設えを配慮する。③集客・迎客の 装置を多数設置し、通りを魅力的にする。ということが考察された。

3.評価と感想
 夏合宿の行き先が温泉地、ということでこのテーマに興味を抱いた。私は大学一年の頃に集客率の高い草津と、集客率の低い鬼怒川に行ったのだが、両者はやはり景観から違っていた。草津の商業施設は多数存在し、観光客で常に賑わっていたのに対し、鬼怒川は店を閉めているところがほとんどであり、観光客を受け付けない雰囲気であった。この論文を読んで、さらに詳しい両者の特徴が分かり、その光景に納得した。一つ気になったのは、この論文は最後に集客率を上げるための提案をいくつか挙げているが、どれも予算が莫大にかかるのではないかということだ。ただでさえさびれた温泉地にこのような試みを行える余裕があるのだろうか。さびれた温泉地を復活させるには、単純に集客率の高い温泉地の真似をするだけではいけないと思った。                                     
4.ディスカッションポイント
 この論文での結論をふまえて、低予算でさびれた温泉地を復活させる方法を考える
・地産池消 ・ご当地キャラクター ・口コミを重視し宣伝費を減らす ・観光客の木を植え、成長をブログで報告する ・動物との交流 ・イベントを増やす ・女将さんブログ ・特産物を使った料理を宣伝
 ソフト面を重視した意見がたくさん出た。これらの方法を踏まえて、ハード面だけでない対策を実施していくことが今の観光地に求められているのだろう。

・実習
発想法入門p.128
【Ⅴ】発想を転換させる方法  07HA108E 堤もも

【要約】
・逆設定法
〈概要〉発想したいものに関する今までの常識を列挙し、それらを逆転して、
アイディアを発想する
〈適応〉新製品・イベントの企画、事業開発、ネーミング、広告コピー、都市計画
〈特徴〉無理矢理常識をひっくり返して考える。プロセスが単純で誰でも体得しやすい
〈方法〉①課題に関する今までの常識を、仮説として列挙してみる
     ②それらの仮説を逆転して設定してみる
     ③逆転させた仮説や、従来とは逆な属性を前提とし、アイディアを発想する
【実習】
 「居酒屋チェーン店の新業態を考える」
 ・夜→昼→ランチ・デザートを提供、24時間営業
 ・庶民的→高級感→会員制
 ・ワイワイしている→静かな雰囲気→クラシック音楽をかける、カップルシートの設置
 ・座敷→立ち飲み→お酒を作る過程が見える
【感想】
 「発想法」と聞くと堅苦しく、難しいと思いがちであったが、この発想を転換させるという方法は、自分が思い描いている発想の限界を超えていき面白いと感じた。単にひらめきからくるアイディアも大切だと思うが、この章で行ったひとひねりしたアイディアも大切であると思う。逆の発想であったり、自分と違う立場からの発想であったり、多方面からのアプローチや視野は重要であり、今後使いこなしていけるように意識していきたい。

2009/6/8

・スピーチ
ツーリズムの新しい諸相p.68
消費者という名のメディア 顧客の連鎖はプラスにもマイナスにも  07HA167K 山科 友紀

【要約】
 かつての日本には、旅の恥はかき捨てという台詞、おみやげ物の上げ底などといった現象がセットで常識化されていた。ここには相互不信の悪しき相関関係があるのみ、双方ともに顧客満足などという言葉の発想すらなかったに違いない。これらの現象は、秘湯旅館での出来事などから考えても未だ起こりうることである。旅館と客の関係はちゃんとした商取引であらねばならないという前提がある以上、ここには相互の信頼関係が下敷きとならない限り、望ましい取引は成立しようがないのである。
 最近インターネットによる広告メディアが発達し、パンフレットの質も向上したが、これらによる宿の情報があてになったためしがない。写真の美しさや美辞麗句に期待を持たされて出かけても、その実態が期待を上回ったことがないのである。実際、私もパンフレットで鬼怒川の美しい旅館を発見し泊まったことがあるが、そこに書かれていたウリも、写真のような概観もまったくといって良いほど当てにならないものであり、がっかりした思い出がある。このような一過性の商売をしているのでは、常に新しいお客を探さねばならず、マーケティングの視点からも高くつくことになる。それは、新規顧客の開拓は反復顧客の積み重ねと比べ、4倍のコストを必要とするためだ。 
 したがって、公正な評価をタダで宣伝してくれる、きわめて感度の高い「顧客という名のメディア」を視野に入れなくてはならない。このメディアによるプラス評価の積み重ねこそが、ブランドあるいはのれんを裏打ちし、育ててくれるものなのだ。
 広告宣伝やPRにおいて、少なくとも実態とはそれほど違いのない、なるべく客観的なイメージ写真の使用と、現場では自分が客の立場だったらどうだろう、という視点からのサービスの見直しが求められている。心のこもらない料理のもりあわせよりも「ご飯、味噌汁、漬物」といった基本的なところに十分配慮すべきである。秘湯の素朴さや低料金をうたう場合こそ、こうした原則はきちんと守っておくべきで、旅なれた客こそ、このような点を評価するのだ。顧客の連鎖をマイナスからプラスへ転化することが、今の宿泊業界には求められている。あるべき「目標」、良い「執念」、そしてこれだけはという「誇り」、が必要なのではないかと思われる。
【感想】
 このトピックのように、メディアによる観光地紹介と実際の観光地との間に差異を感じたことが度々あったので、とても共感した。メディアで観光地をより良く見せる姿勢は大切であるが、良く見せすぎるのは問題だ。安価なホテルに豪華さは求めないが、必要最低限のサービスを怠ってはいけないだろう。まず、そういった基本的なことをこなしていくことから始めることがどの宿泊施設にも重要であると思った。

・文献購読
3章 フィールドワークの実際 p.177~204
(第三の視点、見える世界、インタビュー、モノグラフ)  07HA049K 川井 遥

・第三の視点
 フィールドワーカーは当事者と局外者の2つの視点を合わせ持つ"第三の視点"を持つことで、当事者以上の知識を得ていくことを目標としているほか、遂行面の知と批評的理解の知の両方を身につけることをめざしている。異文化理解の体験を通して、自分自身が育ってきた社会や文化をも相対化して眺められた時に「第三の目」が得られるのである。
・見える世界
 フィールドワーカーの現地での活動は、①すること、②見ること、③話す・聞くことの3つに分けられるが、「見ること」が軽視されがちである。見える世界を明らかにするということは、フィールドワークにおける3種類の活動すべてに関わり、それらを統合する大切な作業である。
・インタビュー
 フォーマル・インタビューが事前に質問する項目などプランができているのに対し、インフォーマル・インタビューはデータ収集とその分析作業を同時並行的に進められる中で行われる。マニュアルでは対応しきれない事態に臨機応変に対処できる能力がフィールドワーカーに求められる資質のひとつであり、研究の対象である日常の社会生活においても求められる能力でもある。
・モノグラフ=限られた単一のテーマや分野について書かれた文献
 モノグラフは現実の似姿かつ一種のフィクションであり、多様なモデルの組み合わせ・重ね合わせで限りなく現実の姿をリアリスティックに「まるごと」捉えようとし、現実を抽象化し、現実のディテールに限りなく近付こうとする、2つの矛盾したベクトルを含む複合モデルである。
【感想】
 フィールドワークでの調査は、その土地に馴染み、その土地について知り追究していきながらも、自分が経験してきた社会・文化を合わせて見ていくことの大切さを再認識するとともに、フィールドワーカーは見落とされがちな無意識の域の情報を見つける客観性と無意識の仮定も見出す幅広い視野、臨機応変に対応していく柔軟性も持ち合わせていなければならないと思った。実際にフィールドワークを含めた調査をする時には、これらの点を意識した上で行いたい。

・文献研究1
アドベンチャーツーリズムにおける観光客のリスク認知に関する研究
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院観光創造専攻 稲葉正思
~日本観光研究学会第23回全国大会論文集(2008年11月)  07HA151E 三口和朗

1.概要
 本論文では、北海道富良野町でラフティングツアーに参加した観光客を対象にしたリスク認知に関する調査票調査の実施結果から、ラフティングの魅力や観光客のリスク認知の現状を分析した。そこから、観光客はスリルを魅力と感じているのでリスク認知が困難になっていることや、観光客の特性を無視した事業者による危険告知が効果的でないことを指摘した。さらに、現状のラフティングツアーが、スポーツとしてのラフティングとは異なる大衆観光としてのラフティングを実施するツアーへと変化していることを指摘した。

2.要約
 1)はじめに
  近年、参加資格を問わないアドベンチャーツアーが各地で行われている。しかし、ツアー中の 事故をガイドの能力だけで防ぐことが困難なので、事故防止のために観光客自身によるリスク 管理が必要となる。しかし、危険をリスクとして認識する「リスク認知」ができなければリスク管  理もできない。そこで本研究では「リスク認知」に焦点を置き、アドベンチャーツーリズム(以下A T)における観光客のリスク認知を調べるため、調査票調査を実施した。
 2)研究の背景
  観光として行われるラフティング(以下ラフティングツアー)は、日本では1990年代に事業化さ れた。ラフティングツアーは予期できない危険も伴うので、事故発生率も高い。こうした事故につ いて、スポーツ活動として捉えた場合の「観光客自身が行うリスク管理」を活用するという事故  対策についての新たな視座を提案する。
 3)調査の概要
  北海道南富良野町NPO法人どんころ野外学校協力の下、2008年7月20日~9月15日までラ フティングツアーに参加した中学生以上の観光客234名全員に対し、調査票調査を行った。
 4)結果と考察
  ①ラフティングのスリル
   a)魅力としてのスリル→観光客全体の55%「急流を下るドキドキ感・スリル」そのうち:10代   71% 60代33%、そのうち:男性49% 女性60%、観光客全体の99%「スリルがあったほう   が楽しい」 b)スリルとリスク→観光客全体の59%「体験前に危険を伴うと思っていなかっ    た」「ガイドに任せておけば危ないことはほぼ起きないと思う」
  ②観光客の危険認識
   a)危険認識→観光客全体の41%「大雨で水量が増して危険でもやりたい」、観光客全体の   52% 体験して「安全であると思った」 b)観光客の特性による危険認識の違い→「体験前    に危険を伴うと思っていた」アウトドア経験者の50%以上/アウトドア未経験者の10%
  ③事業者による危険告知
   a)危険告知書の効果→①‐b)より、観光客はツアー開始前の危険告知書の内容を理解して   いないb)セーフティトークの効果→ガイドはツアー開始前にボート転落時の対応方法を指導   する。観光客の恐怖心を煽ることになるため、観光客によるリスク管理に効果的。観光客全   体の93%「理解できた」、そのうち:33%「実際危険な場面にあったら対応できないと思う」
 5)結論
  ラフティングツアーの現状は観光客がスリルを魅力とし、リスクに対する認識が不足しているこ とが明らかとなった。観光客のリスク認知を必要とするATの存在を明確にすることが事故防止 に効果的役割を果たすと考えられる。

3.評価と感想
 アドベンチャーツーリズムとして観光のためのスポーツが成立してしまうと、経験のあまりない観光客はガイドに頼り、「危険」というリスク認知ができずにスリルだけを味わっていることがわかった。しかしその一方で、ガイド側も危険を知らせるための活動を徹底して行っていないことも事実で、双方の「理解」と「指導」が今後の課題となるだろう。

4.ディスカッション・ポイント
「あなたは子供ができたときにアドベンチャーツーリズムに参加させたいと思いますか」
・中学生の子供を持った親という設定で、今回の論文で調査されたラフティングツアーに「参加させたい」「参加させたくない」に分かれて何故そうなのか議論を行った。
 その結果「参加させたい」派は子供の意見を尊重させることを第一に考え、「参加させたくない」派は事前説明がなされていないようなツアーは心配だから参加させることはできないという結論に至った。やはり、子供は大事なので、意見を尊重させたいが、危険な目には遭わせたくないのでラフティングに限らず危険なツアーはしっかりとした事前説明が必要である。


・文献研究2
隠れ家レストランの立地とデザイン
安島博幸 日本観光研究学会第21回全国大会論文集(2006)  07ha155d 三富悠希

1.各章の要約
 1)研究の背景と目的
  裏通りにある隠れ家レストランの立地と店舗デザインについて考察することを目的とする。
 2)研究の方法
  隠れ家レストランは矛盾した概念であり、隠れる仕草をすることで達成される別の目的(①他  者に対する優越感②店による客の選定)が存在すると考えられる。これを前提として4タイプの 客層選別法を作り上げることを仮説とし、実証的に研究を進めた。また、事例はインターネット  で「隠れ家レストラン」をキーワードにしてGoogleで検索した結果と参考文献雑誌から収集し  た。なお、本論文内で隠れ家レストランを厳密に定義してないが、何かしらの「隠れる」そぶりの ないものは除外した。
 3)立地による客層の選別・店舗デザインによる客層の選別
  ①特定地域立地型法
   インターネットと雑誌から78箇所の立地場所がわかるサンプルを集計した結果の特徴
   a)華やかでお洒落な裏通りに立地するタイプ...広尾・南青山・六本木・原宿・神楽坂
   b)高級住宅地であり観光地としての性格もあるタイプ...世田谷区・渋谷区・鎌倉・逗子
  ②隠れ立地型選別法
   隠れ家レストラン経営者が述べる立地場所の選定理由の特徴
   a)客がわざわざ来てくれる場所 b)店の雰囲気に似合う客が来てくれる場所
  ③隠れデザイン型選別法
   〈特徴〉一般客には目立たなく、店を探している人には店舗の存在を示すという両義性を持っ   たデザイン
   〈分類〉植栽型・サイン型・建築型・敷地型・外構型
  ④主張デザイン型選別法
   〈特徴〉控えめなデザインの基調であるが、もう少し積極的にある種の客層を引きつけようと   するデザイン
   〈分類〉価格的・年齢的・趣味的・クラブ的
 4)結論
  4タイプのデザイン手法を組み合わせることで、客層をコントロールし、店の個性を形成してい ると考えられる。
  〈一般的選別〉立地や隠れデザイン型による選別
 ①特定地域立地型法、②隠れ立地型選別法、③隠れデザイン型選別法
  〈特定層選別〉一般的選別法と同時に、デザイン的な主張によって客を選別
 ④隠れデザイン型選別法
  しかし、デザイン的な意図を経営者に尋ねてもどこまで意識的であるかは不明であり、これら に含まれる「意図」を自覚的に認識することで、新たな店舗の方向性が開けるのではないかと  いうことが本文の主旨である。

2.評価と感想
 都市に点在する独特な空間をもつカフェの魅力や誘引力に関心があり、この論文内では立地やデザイン・「自分だけが知っている」というキーワードにおいてカフェの魅力との共通点を感じ、取り上げた。実際にカフェには隠れ家的な立地・デザインは多く、このような選別手法でその魅力を調べてみるのも興味深いと感じた。

3.ディスカッションポイント
 街中には「隠れる」の他にどのようなデザインや立地がみられるだろうか。
・お気に入りの飲食店のデザイン→「小さな入口」「モンスター」「洋館なのにお豆腐屋」「商品が外から見える」
・お気に入りから考えられる新たなキーワード→「非現実的」「落ち着いた」「和↔洋などの対比」

2009/6/1

・文献購読
フィールドワーク増訂版
3章フィールドワークの実際p.149~p.176
(文献調査、参与観察、異人、インフォーマント)  07HA047E  金山瑠衣

【文献調査(ライブラリーワーク)...「書を捨てよ」?】
 フィールドワークの醍醐味は、まだ誰も活字にしていない現実の姿を、自分の目と耳を使って調べ上げて第一次情報として報告することにある。現実社会の生のリアリティにくらべれば、図書館の書庫でも調べることができる人伝ての第二次情報などは色あせて見えるだろう。しかし、問題は完全に本を捨てさることではなく、どのように本を読み、また本を手がかりにして仕入れた情報や物の見方をどうやって現場の調査に生かすか、というところにある。
 参与観察=調査対象である社会や集団の中に入り込み、実際の体験を通してその社会の成り立ちや文化をまるごととらえようとするフィールドワーカーがおこなう典型的な調査の方法。
【異人(ストレンジャー)】
 フィールドワークをおこなう際には、どうしたら調査対象者とうまくやっていけるのか、どうやればその社会にとけこめるかという「ラポール」(心と心の通いあい、信頼関係)の問題が生じることが多々ある。フィールドワークをおこなう場合には、異人としての自分の立場を認識し、自分がホスト社会の中で相対的にどのような位置にあるのかを常にわきまえておかなくてはならない。
【インフォーマント】
 参与観察につきもののストレスや罪悪感を解消する手段の一つに、対象者に完全に同一化してしまう、というものがある。しかし、インフォーマントと同一化してしまったフィールドワーカーは、本当に理想的な調査者と言えるだろうか。つまり、フィールドワーカーは、対象者と同一化しすぎることによって生じる「オーバーラポール」(過剰な感情移入)の問題が、ラポールの問題と同じくらい、場合によってはそれ以上に深刻な問題になりうることを理解しておかなければならない。
【感想】
 フィールドワークをおこなう場合には、自らの立場の認識が重要であると学んだ。調査対象となる社会にとけこむことは非常に大切であるが、対象者と自分を同一化してしまうことは調査をする上で問題があることが分かった。私がフィールドワークをおこなう際には、調査対象者との距離感を常に考えながら調査を進めていかなくてはならないと思った。

・文献研究
リゾート空間における五感に訴える「自然」の演出に関する考察
関口伸一・日本観光研究学会第19回全国大会論文集・2004  07HA140B 藤井英里香

1.概要
 本論文はリゾート空間において人間の五感へ自然をかんじさせる演出の研究である。リゾートの原点を心地よい場所と考え、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の順にリゾート施設内における自然を利用した心地よさのための演出を概観することにより、大地・緑・木・水・鳥・風・光等が形を変えて五感に取り込まれることが、人間にとって重要であることを考察する。

2.各章の要約
 1)はじめに
  まず五感全般の整理をしておきたい。五感とは人間が周りの情報を取り込む入口である。で  はなぜ周囲の環境の情報を収集する必要があるのか。それは生物にとって最も重要な目的で ある生存と種の保存のためである。人間は自然にあるもののうち個体の存在や種の保存にとっ て良いものを心地よいと感じ、生存や存続を脅かすものを不快とかんじるということである。そこ で本論文は五感が心地よいと感じるものをリゾート空間に発見し、そこから人間と自然との関係 を考えてゆく。
 2)視覚に関する考察
  北海道洞爺湖畔のリゾート:人は背後からの危険を排除し、前方へ広い視野を確保することを 求める。安全なリゾート施設から見渡す自然景観の演出。
  東京都新宿区にあるシティホテルの地上41階の屋内ロビーに配置された竹林:緑色の人体  への効果についてはいくつかの先行研究がある。
 八甲田ホテルのバー・ラウンジplatto:宮崎(2003)は、居住空間における木材率等の実験で、 30~45%の時に最も心地よさを感じるという点や、節の多い木材質が好まれる点を指摘してい る。
 3)聴覚に関する考察
  音の事例は紙面での紹介が難しいのでホームページ掲載の設計者の言葉から考察する。
 「暖かい暖炉」は暖炉で木が燃える音でありそのぬくもりと相まって田舎を演出する音、「木々を 見下ろす眺め」にはさえずりという鳥の生命の音、「水のせせらぎ」は客室から聞くことのできる 水の流れの音を演出している。
 4)嗅覚に関する考察
  帝国ホテルでは花の香りを調合したフレグランスで館内に彩を添えた。これは香りによる自然 の演出である。
 5)触覚に関する考察
  沖縄県名護市のザ・ブセナテラスのテラス:オープンエアな場所は海や森や光といった自然を 肌で感じてもらうための演出。
 6)味覚に関する考察
  鹿児島県屋久島のホテルあかつき:館内に屋久島の天然水を利用。全ての水に使用されて  おり、味覚のための飲料のみに使用されているものではないが、自然を演出する好例である。
 7)むすび
  ここまで取り上げてきた事例の共通点を挙げるならば、自然の要素が様々な形で五感を通し て人体に取り込まれることで、心地よさをもたらすということである。本論文で取り上げたリゾート 空間では、様々な演出で五感に適合した自然を提供することで心地よさを作り出している

3.評価と感想
 人間は森から都市へと生活の場所を変化させ、自然との関わりを減らしてきたが、「心地よさ」を考えた時には原点に戻り自然を求めるということに気づき、自然は人間にとって大切な存在であることを改めて認識した。
 今まで自然を体感するということ考えるときに、本物の自然についてしか考えが及ばなかったが、演出による自然の体感もあるということを知り、考えが広がった。

4.ディスカッション
 五感に適合した自然演出の具体案について
・自然を体感して心地よいと感じる例を挙げてもらう。
 ~滝に近づいた時の爽やかさや音・満天の星・朝の日差し・綺麗な花・青空・ふかふかの雪・木  から差し込む光・芝生の上で寝る・海辺の風や音や風景
・挙げられたものをリゾート演出に活かすとしたどのようなものが考えられるか
 ~滝→リゾート内に滝を作り、自然の冷気を感じる
  満天の星・朝の日差し→天井をガラス張りにし、夜は星を鑑賞し、朝は日差しを浴びて起きる体験
  花・緑→花のディスプレイ、緑が多いところに立地する
  海辺→海が一望できるところに立地する
 
 立地条件や大規模な設備投資が必要な自然演出が多く挙げられたが、実現可能なものも挙げられた。急に質問を投げかけたにも関わらずこれだけの回答が得られたので、自然体験の何を心地よく思うのかを常にアンテナを張って考えていけば、もっと素晴らしいアイディアが浮かぶのではないかと思った。


・実習
発想法入門p.97
【Ⅳ】図に描いて発想する方法  07HA151E 三口和朗

【要約】
1.マンダラート
〈概要〉3×3の9つのマスの中心にテーマを書き、そこから連想されるものを周りの8つのマスに記入する
〈適応〉新製品・イベント企画、事業開発、現状改善、店舗開発、広告コピー
〈方法〉①...用紙に、3×3の9つのマスを書く
②...中心のマスにテーマを記入する
③...周りの8つのマスに、②のテーマから連想されるものを書く
④...③のうち、さらに発想したいものがあれば、それを中心として①~③を繰り返す
※単語・文章どちらを入れても構わない。ただし、8マス必ず埋めること
2.マインド・マップ
3.ワード・ダイヤモンド
4.△○□(ストゥーパ)発想法
5.ポジショニング法
6.関連樹木法
【感想】
 「想像力にとって1つのイメージは1000の言葉に値する」とマインドマップの考案者ブサンが述べている。私は普段頭の中で考えてしまい、図に表したりということをしないのだが、今回この章を担当して図に描いて発想する方法は確かに閃きを呼び起こしやすくなると感じた。紙に書いて(描いて)みるだけで簡単に発想する能力が上がるのでこれらの発想法を実践し、様々な事に対して対処・解決していきたい。
【ディスカッション】
・マンダラートの発想法を用いてハンバーガーの新商品を考える。
 中心のマスに「ハンバーガー」を入れ、周りの八つにそこから連想される言葉を入れる。「手軽なもの」「大きいもの」「低カロリー」「牛肉じゃない」「安い」「和風」「こってり」「エコ」が挙がり、その中から「和風」をピックアップし、さらに連想させていく。「なじみのある」「照り焼き」「わさび」「ヘルシー・健康」「四季」「あっさり」「豆腐」「しょうゆ」が挙がった。ファストフード店では和風のハンバーガーを発売しているところもある。しかし、連想されたこの八つを織り込んでみれば、より新しい和風ハンバーガーが開発されるのではないだろうか。

2009/5/25

・スピーチ
ツーリズムの新しい諸相
全長1万8000キロメートルの大自然遊歩道~21世紀カナダの新しい観光シンボル~
07ha155d 三富悠希

【要約】
 これはカナダの全13州を遊歩道で繋いでしまおうという話である。
 話は1885年に建設されたカナダの大陸横断鉄道まで遡る。かつてカナダを横断するためにはアメリカの大陸横断鉄道を利用するか海運を頼るしかなかったが、この大陸横断鉄道の完成は長距離交通手段やカナダ西部の開拓として大きな役割をはたした。そして、1970年モータリゼーションの時代を象徴するトランスカナダ・ハイ・ウェイが完成する。しかしこの完成と同時に、カナダの大陸横断鉄道は旅客鉄道としての役割の終焉も意味した。そして現在、大陸を横断して歩き続けられるトランス・カナダ・トレイルが着工され、開拓時代以降の地域で大切にされてきた鉄道路線跡や既存のトレイルの再整備をしている。
 私は、この運動が日本のような地域の魅力を再発見して町をおこすというような地域ごとの計画ではなく、国土全体にまたがる大規模プロジェクトである点に感心させられた。全長は1万8000キロメートルにもわたり、赤道の円周が4万キロと考えると、この遊歩道を歩ききった日には地球半分を歩いたことになる。また、国の主導だけでなく、NPOによって考えられ、一般の人々や民間・各州に支えられ実行されている。一般の人たちはトレイル1メートルあたり50ドル献金すると、トレイル各地に建てられた休憩所のパビリオンにその名前が刻まれるそうだ。
 遊歩道を建設しても儲からないといえばそれまでだが、このアイデアは21世紀らしいシンボルともいえ、20世紀が鉄道やハイウェイの時代だとするのならば、ここで歩くということを持ち出し、新しいカナダの象徴を世界にアピールするということは「持続可能」という現在の観光地の課題に即しているとも考えられるのだ。
【感想】
 日本にも四国88ヶ所お遍路ツアーというような大規模観光が見られるが、今回スピーチで取り上げたトランス・カナダ・トレイルはその規模が日本国土の27倍にも及ぶカナダ国家全体で行われるという点に感心させられた。私はまだまだ知らないことがたくさんあり、知識が足りないので、もっと観光への取り組みに目を向けたい。

・文献購読
フィールドワーク訂版
2章 フィールドワークの論理p.110~p.146
(分厚い記述、事例研究、サンプリング、信頼性と妥当性、トライアギュレーション)
 07HA025Y 遠藤真希子

 フィールドワークにおける目標の一つは、詳細な記述を通して現地社会の生活と人々の行為の意味を明らかにすることであり、このような記述を「分厚い記述(thick description)」と呼ぶ。
【フィールドワークの強みと弱み】
・事例研究:典型的な少数事例研究であるため、一般性という点であてにならないという批判が投げかけられることがしばしばあるが、むしろ問題を深く掘り下げることができるという大きな利点がある。
 サーベイ=浅く広く      フィールドワーク=深く狭く
・サンプリング:典型的なフィールドワークのサンプリングの方法は、友達の輪を広げていくようなやり方で「雪玉式サンプリング」と呼ばれ、「ご都合主義的(便宜的)サンプリング」と非難されることがある。しかし、すべてのサンプリングには多かれ少なかれご都合主義的な側面があるため、自分が用いている技法がもっているバイアスを常に理解することが大切なのである。
 サーベイ=単純無作為抽出法  フィールドワーク=雪玉式サンプリング
・信頼性と妥当性:フィールドワークにおいて、「別の人が調査を行った場合に同じような結果が得られる可能性が少ないのではないか」という批判が起こるが、これは信頼性と妥当性を混同していることが多い。確かにフィールドワークにおける観察結果にはバラツキが多く、信頼性という点では他の方法に比べてやや劣るところがある。しかし、対象としている地域の社会生活の全体像を捉える上での妥当性という点では、群を抜いて優れている。
 このように、どの技法も社会生活を的確に捉えるために必要なすべての条件を満足するものではなく、単独で用いるだけでは主張の根拠としては極めて脆弱なものでしかない。したがって、複数の技法を組み合わせて調査を行う「トライアギュレーション(三角測量的方法、方法論的複眼)」という発想が必要となる。

【感想】
 この本を読むまでは、私もフィールドワークに対して一般性・信頼性・妥当性の面において少し疑問を持っていた。しかし今回学んでみて、それが誤解であることが分かったと同時に、フィールドワークの強みと弱みについてしっかり理解することができた。

・文献研究1
海外旅行リピーターの欲求心理からみたリピーター形成要因分析 
黒須宏志、小林英俊 ~日本観光研究学会第20回全国大会学術論文集2005年~
07HA108E 堤もも

1・概要
 今日の海外旅行マーケットは経験値と旅行頻度が共に高いリピーターが多数を占める状況となっている。こうした状況の背景には収入やパーソナリティなどの静的要因だけでなく、海外旅行の経験そのものがダイナミックに関わる欲求心理の働きを想定した。なぜ調査対象者が海外旅行に行くのか、その動因を明らかにする。

2・各章の要約
 1)研究の枠組み
  本研究論文は財団法人日本交通公社が2002年~2004年の期間に日本における海外旅行  をテーマとして行ったパーソナルインタビュー(最近5年間に5回以上海外旅行を行った人を対  象)とアンケート調査の研究をもとに、海外旅行リピーターの形成要因について考察したもので  ある。
 2)外在的要因の考察
  マクロな旅行量は可処分所得と余暇時間、及び休暇の過ごし方に対する価値観で規定され  ている。2004年に実施したマーケット調査によると、世帯収入の高い階層ほど海外旅行の経験 回数が多いが、経験回数と旅行頻度の間にも強い相関関係が存在している。しかし、経験回数 10回以上あり、世帯収入が500万円を上回る層では、世帯収入と旅行頻度の相関がはっきりし ない。また、海外旅行の約85%が同行者のある旅行である。日常の中で同行者と、共有する旅 行の記憶を刺激しあうことがリピートにつながる可能性がある。単独で海外旅行を経験した者  は旅行先で出会った人とのコミュニケーションを楽しむことがリピートの要因になっている。
 3)内在的要因の考察
  海外旅行に対する価値観はオーソドックスな観光に価値を、旅行を通じた人間関係に価値を 自分なりの旅行スタイルを築こうとするといった大きく3つに分類される。価値観が単一でないこ とからも旅行に対する欲求も一通りではない。特定の欲求がリピーターになっていくと仮定する のは無理がある。
 4)旅行経験の考察
  旅行経験がまた新たな経験を生んでいくという、再帰的なプロセスを想定した。外在的・内在  的要因がサイクル成立の条件となり、サイクルがどう進展するかは偶然性の影響を受ける旅行 内容に左右される。また、自分がしたいと思う旅行を自分でコントロールできるという感覚は自  律性を形成する最も重要なプロセスである。海外旅行者の約2割が海外で1ヶ月以上の滞在経 験を持ち、このうち7割が毎年海外に行くリピーターである。
 5)結論
  海外旅行リピーターの形成要因には、外在的内在的要因だけでなく海外旅行経験そのものが ダイナミックに関わっていることが強く示唆される。

3.評価と感想
 日本人の海外旅行の割合が高いのはリピーターの存在が大きく関わっていることがわかった。海外旅行を経験する人が増えれば増えるほど、リピーターの増大につながる。国内の観光が空洞化しないためにも国内の魅力を再認識して日本の魅力をアピールしていく必要があると感じた。

4・ディスカッションポイント~旅行経験の重要性について~
・初めて海外旅行に行った時の動機・・・外在的(海外に知り合いがいる、友達に誘われた)内在的(海外に行ってみたい)要因が多い
・旅行経験を通して旅行内容・仕方の変化・・・経験を通して旅行に対して積極的になり、自分で旅行の手配をするなど自立性が生じてくる。  

・文献研究2
地域住民が持つ観光地山中湖のイメージに関する研究
山本清龍・本郷哲郎 日本観光研究学会第20回全国大会学術論文集(2005)
07ha133h 服部紋子

1.概要
 昨今観光において、望まれる観光客の行動形態は名所型観光から体験学習型観光へと質を変えつつある。ここで重要な点は、それを受け入れる観光地自体にも相応の変化を求められているということだ。体験学習型の観光が目指す成果は観光者に地域が理解されることにあり、その地域の理解を促進させるためには、地域をよく知る地域住民の視点によって資源の特性を把握する必要がある。本研究では山梨県山中湖村を取り上げ、地域住民が持つ観光地のイメージを明らかにし、その特性から観光振興のための知見を得ることを目的とし、アンケート調査を行ったものである。

2.各章の要約
 1)背景と目的
  体験学習型の観光が目指す成果は観光者に地域が理解されることにあり、その理解を促進  させるためには、地域をよく知る住民の視点によって資源の特性を把握する必要がある。地域 住民が持つイメージを調査し、観光振興に生かす知見を得ることを目的とした。
 2)研究方法
  平成14年11月~平成15年6月にかけてイメージマップを用いた面接式アンケート調査を実  施。被験者の偏りをなくすために、周辺4地区(旭日丘・平野・長池・山中)から人口構成と4地区 からの割合を均等にした。
  アンケート調査表は属性(年齢・性別・居住年数・居住理由)、山中湖の良いと思うところ悪いと 思うところ、自然と触れ合える場所、最も嫌いな場所、お気に入りのところという項目に回答して もらった。また、イメージマップといって回答してもらった場所を自由に絵に描いてもらった。
 3)結果と考察
  ①被験者属性...40代が最も多く40%、男女比は4:6。
  ②・良いところ...自然の良さが最も多く90%を占めた。また、夏涼しいなど山中湖の良いとこ     ろは広い意味で地域住民のアメニティと考えることができ、これらをいかに保全し活用する    かが考えられる。
    ・悪いところ...「慣習」が最も多く20%。その他「観光地化されすぎ」など観光地がもつ資源     の劣化に関する回答も得られた。図1参照
  ③イメージマップ...絵によって表わされるものは被験者の90%によって山中湖の「湖岸線」が   描かれた。文字によっての回答では「花の都公園」が約70%を占めた。次いで「紅富士の    湯」「石割の湯」と、これらは広く観光パンフレットにも紹介されている施設であり、地元住民    にとっても強く認識されていると分かった。
  ④景色が良い場所...富士山、山中湖が上位の回答数を得ており、うち71人はこれらを同時に   あげたことから組み合わせが重要であると考えられ、視点では「パノラマ台」が多く回答され   た。視対象、視点ともに移動が困難なものが多く周辺域の空間作りが大切であると考えられ   た。
  ⑤自然と触れ合える場所...「花の都公園」が最も多く回答された。12%。
  ⑥お気に入りの場所...「パノラマ台」など観光客だけでなく地元民も重要な資源であると考え   ており、双方に配慮した活用案が望まれると考えられる。
  ⑦嫌いな場所...「湖畔の(ゴミ・景観)」「山中地区の国道沿い(の店舗・看板)」山中湖湖岸線は   イメージの上で重要でありマイナス評価は顕在化した。
 4)まとめ
  住民にとって山中湖の自然は良いところという意識と共に、劣化しているという評価もあるな  ど住民にとって賛否両論な施設、場所が存在することが明らかになった。持続可能な観光地づ くりを行うためには、地域住民の生活環境を低下させることなく資源を有効に活用する必要があ る。この調査によって得られて知見は単に観光地に住む住民が持つイメージを解明しただけで なく、より効果的な地域理解を促すことに貢献すると考える。

3.評価と感想
 日本各地に観光地が多数存在していて、実際にそこで暮らす人々の評価について気になったことから本論文を取り上げた。観光地化に熱が入れば入るほど地元住民が忘れられたり、望まないトラブルが生まれたりしているのでは、と感じていたのでこのような意識調査が実際の観光地づくりに活用され、観光客からも地元民からも大事にされる街が多数生まれることを期待する。

4.ディスカッションポイント
【学生の持つ新座市のイメージを明らかにし、観光地化に生かすにはどうしたらよいか。】
・志木駅→立教通り→新座駅→平林寺のコースを30歳代から40歳代の女性グループがウォーキングすると仮定し、そのコース内を魅力あるものにするためにはどうしたらよいか?

 良い点・悪い点の二方向から指摘し、加えてあったらよいものについて意見してもらった。意見では歩道が狭い、休憩所を作るなどがあげられた。
 提案された意見から、「歩きやすい歩道を作り、その途中で休憩所などを入れ観光資源や取り組みをアピールする」「花などの視覚に訴える景観を整備していく」ことがより魅力ある街づくりに必要であると考えられた

2009/5/18

・文献購読
フィールドワーク増訂版
2章 フィールドワークの論理p.75~p.109
(定性的調査、理論の検証と理論の生成、概念、仮説)  07ha006y 新井美春

 フィールドワークは一般的に「定性的調査法」の一つと考えられているが、この「定性的調査」と数値データの統計処理を中心とする「定量的調査」との間には、根本的な対立がある。しかし、学問分野・技法・データ・報告書の文体、この4つの観点から見れば、この2つの調査法は、実際にははっきりと区別できるものではない。最近では、フィールドワークとサーベイなど定性・定量両方の技法を併用し、また両方のタイプのデータから得られる情報を組み合わせることによって、より妥当性の高い分析を目指す調査研究も増えてきている。
 学者や研究者にとって、理論を作ることは過去の偉大な思想家の仕事であり、自分自身の仕事はその理論を科学的かつ実証的に検証することだと考えられている。しかしフィールドワークにおいては、理論を現場の状況に合わせて解釈し直し、さまざまな理論を組み合わせて即興的に自分の理論を作っていくことが必要である。フィールドワークという方法には、既存の理論に対して柔軟なスタンスがとれ、適当な出来合いの理論がなくても自らの手で独自の説明図式を作っていけるという強みがある。
 また、フィールドワーカーは調査の準備のためにその土地の社会について先人が発表した民族誌を読んだりしていろいろな予測を立てている。調査に入る前にあらかじめそういう予測や仮説を立てておいた方が、調査はスムーズにいくことが多く、調査の成果を判断するときに確かなよりどころにすることができる。その仮説を作る際には、あるプロセスを経ることによって徐々に理論とデータによる裏付けを与えられ「仮説」とよぶのにふさわしいものになってくる。そして、フィールドワークにおいてはその仮説を明確にすると同時に、調査全体の問題設定自体を明確にしていくことが重要である。
【感想】
 フィールドワークという研究方法には、理論に対して柔軟な対応がとれるというメリットがある一方で、概念の定義や仮説などの事前の問題や条件を解決しておく必要があると学んだ。また現場での実際の調査においては、定性的調査が必要なのか、定量的調査が必要なのかという判断がとても大切であることがわかった。私がフィールドワークを行う際には、事前の準備をしっかりやって疑問をなくしておき、調査対象にもっとも適したデータ収集と研究を行っていきたい。


・文献研究
ツーリズムによる地域の再活性化 ~大分県豊後高田市「昭和の町」~
川島千明 日本観光研究学会第21回全国大会論文集(2006年)
07HA079N 真田栄美
1.概要
 本研究では、地域の再活性化に向けた地域づくりの例として大分県豊後高田市の「昭和の町」をケーススタディとして取り上げ、豊後高田市における地域づくりの内容と背景を調査し、今後の展望について論じる。

2.各章の概要
 1)はじめに
  本研究の目的は、豊後高田市の「昭和の町」に着目して地域づくりのあり方を調査し、今後の 展望について探ることにある。
 2)豊後高田市概要
  ①地理的概要:大分県北部に位置し、面積約207㎢、人口約25,600人(H18年7月現在)。比  較的降水量が少ない温暖な瀬戸内海気候。
  ②歴史的概要:商業基盤を背景として発展し昭和30年前後が全盛期。しかし昭和40年、宇   佐参宮線が廃線となり、高度経済成長のモータリゼーション化や人口減少などにより商店街   は徐々に衰退する。
 3)「昭和の町」としての再出発
  ①中心商店街活性化構想の概略
   平成4年「豊後高田地域商業活性化構想」...実現に至らず
   平成8年「豊後高田市街地ストリートストーリー」..."昭和"が見出される
   平成9年「豊後高田市商店街・商業集積等活性化基本構想政策調査」
   ..."昭和"と"レトロ"をテーマとした街づくりの方向性
   平成12年「商店街まちなみ実態調査」...昭和30年代中心の建造物が多数残存
  ②平成13年「昭和の町」としての中心市街地活性化の取り組みが本格的に開始。総延長5   50mの通りにある全100店舗を1年に8軒ずつ〔昭和の町〕として再生。キーワードは建     築、歴史、商品、商人。
  ③商店街の60~70%が昭和30年代前後に建築されたもので、修繕にあたり莫大な費用は   不要であった。また、昭和20~30年代に全盛期だった歴史があるため、地元の人にとって    昭和30年代というのは商店街が繁栄し、活気のある町であったという意識が存在し、当時    の面影が残る街並みや品物の存在が中心商店街の個性であるという認識を生み出した。そ   の結果、商業と観光の振興を一体化させた街づくりを行うことができた。
 4)昭和の町の現状
  ①商店街主へのアンケート調査 (平成17年12月、新町通り)...商店概要、店舗概要、顧客層など
  ②来街者へのアンケート調査 (平成17年12月、ロマン蔵周辺)...性別、来街目的、満足度・意見など
 5)昭和の町の課題と展望
 ・地元客の利用の回復...イベントの開催が一つの手段。
 ・外部からの新規の商人が昭和の町のコンセプトの共有
 ・リピーター確保...観光客からの意見や志向を取り入れる。
 6)まとめ
  課題がいくつか残るものの、民間が中心となって開始し、昭和30年代のかつての賑わいに着 目し、行政と三位一体となって「商業と観光の一体的振興」を目指した取り組みが地域活性化  の強みになっている。

3.評価と感想
 街づくりは、その地域の歴史や文化に沿ったテーマを持ち、住民が主体になって行うことが成功への鍵だと思った。観光客を呼ぶ込むだけでなく、地元住民が暮らしやすく、自分たちの街に誇りを持てるような開発が持続可能な将来を作るのだと思う。

4.ディスカッションポイント
【地元客の利用を増やすにはどのようなイベントを開催したらよいか。】
・自分が今まで経験した街での楽しかったイベントは?
 ~埼玉B級グルメ・花火大会・地元の祭り
・観光客だけでなく地元客の利用を増やすには?
 ~コンテストのようなものを開催・割引制度を作る
住民参加や住民企画のイベントを開催
 地元民の参加には彼らが主体となって楽しめるようなイベントにすることが必要なようだ。

・実習
発想法入門
p59【Ⅲ】連想して発想する方法  07ha155d 三富悠希

1.要約
【NM法】
〈概要〉キー・ワードから連想されるものを書き出し、その仕組みや背景を考える。その考えたものが発想の対象物に応用できないか探っていく発想法。
〈特徴〉技術開発方面でよく活用されている。また、様々なバリエーションが存在し、アイディアを発想する頭脳の働きを想定した上で合理的なステップを組んであるため、発想法の中でも使いやすい。
〈種類〉H型...装置や道具の発明によく使用される
T型...グループ作業に向いたH型の修正
A型...コンセプトを結んで仮説設定する方法
S型...2つのコンセプトを時間的因果関係で結ぶ方法
D型...たくさんの観測データから独創的結論をだす方法
〈方法〉T型
1)KW...キー・ワードを探す
2)QA...アナロジー(似ている点を比較して考えること)を見つける
3)QB...バックグラウンドをイメージで追う
4)QC...QB対して「これは今の問題に応用できないか」という問いかけをし、記入する
5)記入したものを評価する

2.議題
【テーマ】NM法のT型を利用して「香水の新商品」を考える
1)KW:綺麗になる
2・3)QA→QB:・美容院へ行った→イケメン店員が居た
     ・アイメイクを変えた→購入したアイラインに試供品のパックのおまけ
     ・規則正しい生活をした→体の内面から変わった
     ・食事改善をした
     ・ヒアルロン酸パックをした→友人から乾燥していると言われ悩んでいた
     ・ダイエットをした
     ・少し高めのヒールを履いてみた
4)省略
5)QC:「アイメイクを変えた→購入したアイラインに試供品のパックのおまけ」や「ヒアルロン酸パックをした→友人から乾燥しているよと言われ悩んでいた」ということから、あるいは「実はそのパックのヒアルロン酸で肌が保湿されたのではないか」と考え、これをテーマに移し変えて「冬に流行ったボディバターのようなジェルタイプの香水は作れないか」と評価する。

2009/5/11

・スピーチ
ツーリズムの新しい諸相 p.72いつか行きたい一生に一度の旅  07HA178N 若海彩

 いつか行きたい一生に一度の旅・・・みなさんもいつか行きたいと思っている場所があるだろう。この本に紹介されている「いつかは行きたい 一生に一度の旅 BEST500」という本には、"南アフリカの自然公園を通る列車で野生動物に会う"、"プロヴァンスの静かな田舎道をツーリング"、"リオ・デ・ジャネイロでハングライダーに挑戦"など多くの旅が紹介されている。この本は二度と忘れられないようなすばらしい旅を厳選して提案する大型ビジュアルブックであり、ナショナル ジオグラフィックならではの美しい写真とユニークな視点で、500名所を紹介している。海、山、丘や谷、村や都会など多彩な目的地でいかに楽しむか、いかに冒険的に過ごすかなど、紹介しているのは、世界でも有名な場所ばかりで、どこも魅力にあふれている。それぞれにベストシーズンやその周辺の事も紹介されており、全く知らなかった地でも恐らく興味が湧くのではないだろうか。
 ただ、日本の500選入りは東京、京都、富士山、新幹線、竹内街道、中山道、歌舞伎、寿司、デパ地下だけであり、少しさびしいと感じた。日本の観光にはまだ伸びる余地があるという事だと思うので、日本が観光にも力を入れている今、より日本の魅力が世界に発信されればいいと思う。「いつか行きたい」と思う日本の観光名所をもっとうまく発信していく事が出来たら海外からの観光客、又、日本の観光客もひきつけられるのではないだろうか。しかし、それが最も難しい部分であるので、今後考えていかなければならない重要な問題なのだろう。

・文献購読
フィールドワーク増訂版
1章フィールドワークとは何か?p,44~p,72
(カルチャーショック、民俗誌、アンケート・サーベイ、ルポルタージュ、恥知らずの折衷主義) 07HA005W 網守大輝

【民俗誌(エスノグラフィー)】
・パーソナルな「旅行記」的な性格をもつ文章を「エスノ・エッセイ」
・最初から最後まで調査者が顔を出さない「科学レポート」
【アンケート(サーベイ)】
・フィールドワークとは極めて対照的な調査のやり方
・・・フィールドワーカーは定性的調査(質的調査)を行う。
ナンバー・クランチャー(サーベイ調査を得意とする者)は定量的調査(量的調査)を行う。
【恥知らずの折衷主義】
現代社会を対象とするフィールドワークの場合には、フィールドワーカーは「恥知らずの折衷主義」を採用できる。
【感想】
 フィールドワークにおいて文化を知ることはとても大切なことだと思った。自分の住んでいる場所の文化や風習を理解して初めて調査地の文化や風習を学び、また比較することができるようになり、客観的なものが見えるようになるのだが、それによって調査がとても厚みのあるものになると思った。しかし、この狭く厚みのある調査にさらに意味を持たせるためには、広く浅いアンケート調査も非常に効果的だと思った。そうすることによってこの調査全体が見えてくるようになり、より理解しやすくなるのではないか。

・文献研究1
観光対象に「飽きること」と観光地の盛衰に関する考察
安島 博幸 / 日本観光研究学会第19回全国大会論文集(2004年)  07HA049K 川井 遥

1.概要
 観光地の盛衰の要因に、観光対象に「飽きること」というものがあると考えられる。観光対象に飽きるのは、「差異化」という概念から説明できる。また、身体的な記憶に由来するイメージと非言語的言語を含む言語的記憶に由来するイメージの2つから生じた価値から差異化が生まれる。この差異化、すなわち他者とは違う、自己の優越性を作り出し区別することによる価値の低下によって「飽きること」が発生する。差異によって、それに対する欲望が生産されるが、劣等感を感じるものを選択したとき負のベクトルが作用する場合がある。これらを踏まえて「飽きない方策」を5つのタイプごとに検討した。

2. 目次構成と各章の要約
1)研究の背景と目的
 モノに流行があるように観光対象や観光地にも流行り廃りがある。その原因の大半は、人々が観光対象に興味を感じなくなる、つまり飽きてしまうということに起因すると考えられる。これまで観光地の衰退はライバルとの地域間競争などと説明されてきたが、これらの要因についての考察を行うとともに来訪者側から「飽きること」について考えていく。
2)研究の方法
 人間が対象に「飽きること」について、理論的な枠組みとしての意味の発生する過程について、記号学を援用し、それが個人にとって持つ意味については「差異化」という概念から明らかにすることとした。
3)「飽きること」と「飽きないこと」
 ○イメージ=対象についての知覚とそれに関連するある種の記憶の合成から生ずる
 ①.学習に近い記憶の形式から生まれるイメージ(=身体的記憶)
  ex) 美味しいものを食べる、スポーツをする
 ②シンボル化能力が産み出す心像の表象を伴う記憶の形式(=言語的記憶)
  ex) 美しい風景を見る、有名な社寺を巡る
 ○「飽きること」→人間の欲望の源泉である「差異化」による価値をなくすこと
 =「差異化」による優越が働かなくなること
4)「飽きること」と「飽きない方策」について
 ①不断に差異を作り出すこと(差異の創出と削減)
 ②身体的認識による価値を作ること
 ③古典化すること・社会化すること
 ④人との交流を取り入れること
 ⑤常設せず定期的に開催する
5)結論
 「飽きること」をキー概念に観光地の盛衰に関わる様々な現象の説明が統一的に可能となったと考えられる。考察の結果のまとめは次の通り。
 ①観光地が衰退するのは「飽きられる」から
 ②飽きることは言語的認識による価値に関わることに多く起こる
 ③飽きられるだけでなく、差異化がマイナスに働くことがある
 ④飽きなくする方策を5つのタイプ毎に検討した

3.評価と感想
 後期の個人研究で「ハマること」について採り上げたいと思い、「ハマる」のメカニズムを知る上でも、対極の位置にある「飽きること」について知る必要があると考え、今回この研究論文をテーマに選んだ。論文中では「『飽きること』は主に『差異化』の概念で説明できる」として、身体的記憶に関するイメージと言語的記憶に関するイメージの2つからなる、とあったが、この他に「想像」というイメージも絡んでくるのではないかと考えた。このイメージが「期待」となり、これを評価の境目に"期待以上"であれば高評価・プラスにとられ、逆に"期待以下"であれば低評価・マイナスにとられると推測した。第3のイメージ、すなわち想像と「飽きること」の関連性について機会があれば追究してみたい。

4.ディスカッションポイント
 「1回ぽっきり」と「また行きたい」の格差
【それぞれの場所・観光地の特徴】
 ○条件の不一致による目的の未達成、変化要素
 ×「その土地ならでは」ではない、人の評価との差、期待外れ
【その他の「飽きられない方策」】
 ・「限定」「特別公開」などの価値づけ
 ・過大な期待を与えない

〈文献研究2〉
観光情報の利用実態分析-鎌倉における調査結果をもとに-
佐藤美沙・橋本俊哉・日本観光研究学会第19回全国論文集・2004  07HA068K 近藤翠

1.概要
 本研究は観光情報に関する基礎的な研究として、観光情報がどのように利用されているのかその利用実態を把握、またモデルコースを対象に観光者の移動経路に与える影響について明らかにすることを目的とし、「鎌倉」における日帰り観光者を対象に観光者がどのように情報を利用しているか調査・分析を行った。その結果7割以上の人が出発前後に観光情報を利用、ガイドブックが他の媒体よりも観光者に与える影響が大きいこと、また掲載されているモデルコースの有無に関わらず観光者の移動経路が比較的類似をしている一方で完全な一致は見られないことが明らかになった。

2.要約
 「観光情報」は今まで観光の際に利用される情報とされてきたが、本研究では、「観光において、現地での行動の選択や実際の行動に利用され、人々の態度・行動に影響を与えるメッセージ・知らせの総称」と定義。
 調査は高徳院境内で休憩する日帰り観光者に質問調査(項目:①出発前・後の情報利用の有無と媒体の種類と内容 ②予定していた訪問場所 ③滞在時間)と地図記入法(観光者が辿った移動軌跡を調査者が記入)を採り、モデルコース(JR北鎌倉→建長寺→鶴岡八幡宮→源頼朝墓→鎌倉宮→江ノ電鎌倉駅→高徳院→長谷寺→江ノ電長谷駅)との比較を行った。
・調査対象者20名のうち13名が過去に鎌倉訪問経験があり、全員が同伴者を連れ、ほとんどが2人旅であった。移動手段として「電車と徒歩」が大半を占めた。訪問予定地は「鶴岡八幡宮」が22%、「建長寺」「長谷観音」が11.9%であった。滞在時間は2~7時間で、それ以上はみられなかった。
・出発前に観光情報を利用したと回答した観光者が13名、出発後に観光情報を利移用した観光者が13名である。そのうち出発前のみ情報を利用した観光者が4名、逆に出発後のみ情報を利用した観光者も4名みられた。情報媒体は出発前・出発後ともにガイドブックのみ・ガイドブックと他の媒体との併用が7割を超え、紙媒体であるガイドブックの利用率の高さが目立った。
・5名がモデルコースを参考にしたと回答し、比較的似たようなコース(鎌倉駅、鶴岡八幡宮、長谷駅、長谷観音、大徳院)を巡っている一方、モデルコースを参考としない観光者も同様の観光対象と移動経路(建長寺・鶴岡八幡宮・大徳院、鎌倉駅・長谷駅)をとっていることが分かった。このことからモデルコースの有無によって観光者の移動経路に特徴的な違いが見られなかった。また全員の移動経路はモデルコースに類似するものではあったが完全な一致は見られなかった。

3.評価と感想
 この研究結果では多くの旅行者が紙媒体のガイドブックを利用していること、利用情報の有無や媒体に関わらず皆同じような移動経路をとっていることに驚いたが、有名すぎる「鎌倉」という観光地がこのような結果を生み出したのではないかとも思い、この調査が他の地で行われた場合どのような結果が出てくるのか、機会があったら調査したい。

4.ディスカッションポイント
・モデルコースは費用やアクセスなどが記載されており、その通りに行動すれば比較的高い満足感が得られるのに、なぜ完全な一致がみられなかったのか。
→モデルコースはテーマごとに設定されていることが多く、人々は多くのテーマを一度に見たいと思うから。
アクセスなど調べるのは大変だが、自分だけのオリジナルコースを作り巡りたいから。
・記載されているモデルコースにアレンジを加える時に何を参考にするか
→モデルコース周辺の施設を探して加える
 自分の見たいところや興味のあるところを加える
 違うテーマのモデルコースと組み合わせる

ゼミ生に聞いたところ、観光地を巡る際、近隣の施設を数多く巡るよりも、少し離れていても自分の見たいと思う施設を訪ねる人のほうが多かった。

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